木枯し紋次郎中山道を往く(二)著者:笹沢佐保中央文庫 外見は、百姓家です。 かなり大きな百姓家の内部は、多い時には3日に1度、少なければ7日に1度の割合で賭場に早変わりするわけです。 賭場を仕切る板場の与衛門は、信州は千曲川の篠ノ井追分の渡しから松本へかけての一帯を縄張りとして、刈谷原に本拠を置いている貸元です。 別名を「仏の与衛門」というほど喧嘩嫌いの温厚な親分で、土地の人間からの評判は良く、与衛門の賭場についてとやかく言う者はひとりもいません。 さて、前日の六ツ半(午後7時)から始まった盆は翌朝まで続き、客は30人ほどで3分の2が旅の者、残りは松本からやってきている商人たちですが、七ツ(午…