「京都くれなゐ荘奇譚1, 2」 京都くれなゐ荘奇譚(四) 呪いは朱夏に恋う (PHP文芸文庫) 作者:白川 紺子 PHP研究所 Amazon 京都くれなゐ荘奇譚(二) 春に呪えば恋は逝く (PHP文芸文庫) 作者:白川 紺子 PHP研究所 Amazon ブロ友さん推しの白川紺子さんの作品です。 先日、北海道(夫の実家がある)に行った際のお供に借りました。 主人公の澪がよくぶっ倒れるのが心配です。 今、4巻まででています。そのうち続きを読みます。
定番の兄妹 毎回書いているのですが、、白川先生の作品には、ほとんどの作品で兄が登場するのが定番なんです。本作でも、これまでとは趣の違った兄が登場します。ここまで本作を読んだ方であれば、誰が誰の兄なのか、すでにお分かりでしょう。今のところ、妹はまだ兄がいる事実を知りません。兄だけが知っている秘密です。だから、兄の行動は一見、挙動不審にも見えます。兄は、自分がおかしな行動を取っているということに、気づき始めてはいますが、体が勝手に動いてしまうようで、自分でも止められず、予期せぬ行動となっているようです。妹も驚いていますが、兄本人は、もっと驚いているんです。その兄妹のリアクションを楽しみながら読んで…
籠の中の鳥 皇帝:高峻は、間違いなく美しい顔立ちをしています。ですが、あまり男性としてモテている印象がないのです。本人も後宮というものに嫌気を感じているようですし、どちらかと言うと、後宮を憎んでいるのかもしれません。ですが、後宮を無くすことも、後宮をないがしろにすることも、結局は国の破滅を招くことに繋がるとわかっているため、後宮には角が立たない程度に通っているという印象を受けます。重役たちの娘を、重役たちのご機嫌を損ねないように、後宮に向かい入れ、妻として見合った位を授ける。位に見合う程度に妻の元へ通う。夜伽も皇帝として最低限の回数をこなす。どの妻たちにも優しく、平等に気遣い、心配もする。それ…
後宮ブーム ある時ふと気が付くと、ライト系やラノベ界では、後宮ブームが到来していました。その火付けになった作品の一つが、本作『後宮の烏』ではないかと思われます。ちなみに『紅霞後宮物語』や『薬屋のひとりごと』も、後宮ブームの主流を作った作品と言えるのではないかと個人的には思います。後宮と言えば、大奥のように、女性たちが皇帝の寵愛をめぐって争い合う、恐ろしい場所というイメージが付き物です。皇帝は素敵な男性で、妃たちはみな皇帝を愛していて、皇帝から愛されたいと願い、他の妃に嫉妬し、嫌がらせをしたり、呪詛をしたり、事件を起こして濡れ衣を着せたりと、とにかく他の女性を追い落として、自分が1番になろうとし…
あとがきについて 『白鳥と紫式部』巻末に、白川先生のあとがきがあります。先生は大学生の頃、京都の寺町二条に住んでいたとのことです。はるか昔のものと、今のものが混在する京都が、本作のテーマだったとのことでした。本作を読み終わっての印象は、京都弁が生き生きとした作品だったなという感じです。セリフが、時に色っぽく、時にすがすがしく、鹿乃と良鷹の掛け合いに、心が和みました。特に、良鷹が感情的になって、慧の背中を押す場面でのセルフが、強烈に響いてくる感じです。私は関東生まれの関東育ちなので、いざという時の京都弁の迫力に圧倒されてしまいました。良鷹の言いようのない感情が、そのまま、物語の意思を受けついで、…
兄の物語も重要 しつこいようですが、とにかく白川先生の作品は、兄が幸せになれないのがセオリーです。ですが本作の兄:良鷹は、良鷹が主人公となるエピソードが、たまに登場します。てっきり、1回だけの単発なのかと思っていたのですが、どうやら違うようです。『祖母の恋文』の最終話にも登場しますし、本シリーズを最後まで読むと、最終的には、かなり驚く展開を迎えることになります。まず予想できない結果の幸せが、良鷹に舞い込むことは確かです。鹿乃と慧の恋愛にばかりとらわれず、良鷹のエピソードにも注目しておく必要があります。良鷹の物語は決してただのサイドストーリーではないのです。そして、鹿乃によって救われるのは、慧だ…
作品の恋愛事情 白川紺子先生の数々の作品の中で、ダントツ大好きな作品が、本作『下鴨アンティーク』シリーズです。ヒロイン:鹿乃と、同居している兄の親友:慧ちゃんの淡い恋物語が本作の最大の魅力です。そして、白川先生の作品の特徴と言えば、ヒロインに兄がいることなんですが、、たいていは、兄が、妹の恋愛に反対するパターンが多いのですが、本作は少し毛並みが違っていて、妹と親友の仲を取り持つキューピットの役割を果たしている兄:良鷹が登場します。慧の魅力には勝てませんが、良鷹もかなり良い男です。そして、兄は妹を守るために人生をかけて来たのに、毎回、最後の最後に別の男に取られるという憂き目を見ることになるわけで…
契約結婚はじめました。3 椿屋敷の偽夫婦 意外ですが、、柊一のほうが先に、自分の気持ちに気づきました。そして、俄然やる気が出てきました。もちろん恋敵である香澄の兄も本気です。柊一のいけないところは、肝心なことになると、香澄に隠してしまって、笑顔で誤魔化してしまうところだと思います。それでたまに、香澄を傷つけているようにも見えるんです。すみれさん(柊一の親戚)には本音を言えたのに、どうして香澄には言えないのだろうかと、歯がゆい限りです。そういえば、香澄もすみれさんに初恋の話をしてましたが、もしかするとすみれさんの人柄が、本音を口にしやすくさせているのかもしれません。これまでの人生で、椿に注目する…
物語の背景 本作は、題名のとおり、契約結婚をしたある男女のお話です。夫婦が暮らす屋敷は、見事な椿が所狭しと、庭に並んでいます。そして作中でも、さまざまな椿が登場し、椿にまつわるちょっとした騒動が話のエッセンスになっています。多くの動植物が眠りにつく冬。人間にとっても寒く辛い季節です。そんな季節に合っても力強く開花する椿は、辛抱強く、控えめで、奥ゆかしさを感じる花を咲かせます。あまり注目されることもなく、いつの間にか季節が終わっている。そしてまた、次の季節までひっそりと佇んでいる。そんな印象を受ける植物です。「控えめな愛」「謙虚な美徳」といった花言葉があるようです。本作の主人公:柊一は、和服の似…
11月はたくさん読めたので2つに記事を分けました その後編です 今年も残すところあと1ヶ月 はやいですねぇ 今年のベストも決めねば 上旬はこちら hiroku-asaku.hatenablog.com 転職の魔王様2.0 額賀澪 後宮の烏3 白川紺子 3分で読める! ティータイムに読むおやつの物語 神去なあなあ日常 三浦しをん 神去なあなあ夜話 三浦しをん 転職の魔王様2.0 額賀澪 ドラマ化以前に読んでて続編とのことで読みました キャリアアドバイザーCAとして2年目となった千晴。 求職者に寄り添いまるで天使のようなCA天間や転職歴8回目の転職王子などなど 短編集。 今回も面白く読ませてもらっ…