「社会生活上の各方面の事項や、あらゆる専門分野の言葉についての説明を記述した辞書」 (三省堂 『大辞林』 第二版)
「人類の知識の及ぶあらゆる分野の事柄について、辞書の形式に準じて項目を立てて配列し、解説を加えた書物」 (小学館 『大辞泉』)
近代以前にも同種の試みは存在したが、現在の百科事典の最初のものは、フランスの啓蒙主義時代にダランベール、ディドロ、ヴォルテール、ルソーらによって、知識を広く共有財産とすることを目的とし、配列を意味を排したアルファベット順とした「百科全書」であるとされている。
一般に百科事典はその言葉がさす事物についての情報を記述することを主とするが、辞書・字引はそれに対してその言葉の意味と用法を説明することを主として目的とする。もちろん古語辞典などに典型的に見られるように、辞書にも百科事典的記述がまざることもあるが、おおむね両者の区別は言葉志向であるか、指示される対象志向であるかにあるといっていい。