国立劇場三月公演を観劇。以前小劇場で絶品とも云うべき「髪結新三」を上演した時などは空席が目立ち、このブログでも「この芝居を観ないとは、江戸の芝居好きも落ちたものだ」と云う様な趣旨の記事を書いたものだった。しかし朝ドラへの出演が菊之助の知名度を引き揚げたのだろうか、二階席は兎も角、一階席はほぼ満員の盛況。令和の歌舞伎界を背負って立って貰わねばならない菊之助。お客を呼べる役者になってきたのは実に頼もしい。 菊之助の盛綱、去年の九月に引き続き二度目となる丑之助の小四郎、梅枝の愛息大晴君の小三郎、梅枝の篝火、莟玉の早瀬、萬太郎の信楽太郎、種之助の伊吹藤太、片岡亀蔵の時政、橘三郎の新左衛門、又五郎の兵衛…