燃料であるガソリンを吸気ポートではなく、シリンダー内に高圧で直接噴射するエンジン。
ディーゼルエンジンでは古くから実用されていた技術であり、一般的に「直噴エンジン」というと、その殆どはガソリン直噴エンジンの事を示す。
ポート噴射エンジンと比較して圧縮比を高くできる、空気のみを圧縮するのでノッキングを起こしにくい、燃料噴射後の燃料が気化熱を吸収することで筒内温度がポート噴射に比べ下がるといった利点があり、これにより高効率と低燃費の両立が可能となるため、近年ではガソリンエンジンにおいても主流になりつつある。
またターボと併用することによってより一層の出力向上が得られるため、これにより少ない気筒数でより多くの出力やトルクを得られるようになったため、ダウンサイジングの主要技術となっている。
ガソリン直噴エンジンの構想は第二次世界大戦中からあったが、コストや排気ガスといった問題が多々あったため、一般乗用車に広く採用されるようになったのは21世紀に入ってからである。