はじめに 『ガンスリンガーガール』は長らく解けない謎であった。明らかに優れた作品であるが、その中核的な部分を掴むことができなかった。先日、妻の本作における解釈を聞くことで、視界が開けた心地となった。今回書こうとしているのは、①トリエラとヒルシャーの関係の変遷であり、②それが物語の最重要装置であるところの条件付けとどのように結びつくのかであり、③その結びつきにはどのような含意があるのかである。「クローチェ兄弟の物語がメインストーリーになっている」と作者がインタビューで明言している*1にもかかわらず、物語の結びにはトリエラの娘であるスペランツァによる「世界には今も確かに希望がありますよ」というセリ…