相貌失認の人は幼児期に言葉の遅れがみられることがあります。その原因は、相貌失認の見え方に問題があります。 そもそも人は、視覚情報と言語情報を組み合わせて言葉を覚えるものです。例えば子供に、実物またはイラストの猫を見せたときに「これは猫だよ」と何度か教えれば、見たものと聞いたものをセットにして覚えます。ところが相貌失認の人は、人の顔や風景の一部分しか認識できないため、視覚情報と言語情報をセットにしても、すぐには言葉が覚えられない可能性があります。「あれは猫だよ」と教えたとしても、相貌失認の人が猫の目に注目すれば、猫の目が「猫そのもの」となり、猫の耳に注目すれば猫の耳が「猫そのもの」になります。そ…