芯を焼く、と教わった噺。 我が常用の熱燗用酒器。常用は気分により、ふとした記憶の蘇りにより、時おり変更されるが、こゝ一年あまりは、これを使っている。 三十歳代だったか、ふと瓶型の徳利に嫌気がさし、鶴首型の徳利をいくつか持ったことがある。おゝかたは寿命と申すべきか割れ去ったが、ごく頑丈な拵えのいくつかが、今も生きながらえている。 これは鶴首というほど長首ではないが、そうした偏愛時の名残である。頑丈とは申しがたい造りなのに、なぜか割れずに残った。この型の徳利は、パカリと割れることはめったにないけれども、注ぎ口の先が欠けるのである。平均すれば、瓶型の徳利よりも欠けやすい。 ご覧のとおり、相馬焼である…