Midnight Cowboy
英国出身のジョン・シュレシンジャー監督の渡米第一作作品。
アメリカン・ニューシネマの先駆けとなったこの作品で、彼はイギリス人の目でアメリカのすさんだ病巣を痛烈な皮肉を込めて描いている。
テキサスの田舎から希望を持って乗り込んできたカーボーイは、大都会の歪んだ現実の前に打ち砕かれ挫折を味わうが、彼は都会の片隅でラッツォ(ねずみ)のように生きているリコという男と奇妙な友情を得る。
リコを演じたダスティン・ホフマンは会心の演技。この年のアカデミー主演男優賞に彼とジョン・ボイトがノミネートされたが、受賞は長年の功労の意味で「勇気ある追跡」のジョン・ウェインだった。
しかしこの映画は、アカデミー作品、監督、脚色の3部門に輝き、ジョン・シュレシンジャーの名は一躍有名になった。
原題は「カウボーイ」だが、邦題は「カーボーイ」となったのは、公開当時の配給元であるユナイト日本支社社員だった水野晴郎によるもの。