いったいこの世にカタルシスをもたらすほどの絶望感があるなど想像できるだろうか (評価 85点) この映画の存在を知ったのは、古本屋で入手した古ぼけたキネマ旬報ベストテンの特集号。数行の簡単な紹介文と、この映画のタイトルに妙にイマジネーションを喚起され、ずっと見たいと思い続けていた。 念願はとあるテレビの深夜帯の映画劇場でかなえられた。 導入部から引きずり込まれ、たちまち釘付けになった。そして、何といっても有名な、救いのかけらもない絶望のラスト。 見終わった後、悪夢から覚めたような感覚に見舞われたのをおぼえている。以来、これを録画したテープを見続けた。性懲りもなく、画面に釘付けにされる感覚をまた…