朝だ。ザマアみやがれ! 現代詩と現代思想の研究家であるお若い友人から、雑誌の特集企画の参考とすべく、アンケートに応えよとの要請があった。私はもはや現代人たるの資格を喪失した人間であり、ご意向に沿う条件を満たさぬものだというのが、まずもっての回答である。 が、先方は百も承知のうえで、さような場違いの表六玉からの声をも視野の隅に置きつつ、問題点を広く洗い出そうと企てられたのだろう。しかも彼の配下には、大真面目に精進する前途有為の学徒らが多く連なっていることも、日ごろから存じあげている。ここはせいぜい正直たるを期して、お応えせねばなるまい。 第一問いきなり。あなたにとって「私」とはどんなものですか?…