石川五右衛門:石川一口 1900年(明33)梶川陽文館刊。 講釈師の石川一口(いっこう)は明治後期に口演速記本などで盛んに作品を残した五代目と考えられる。生没年は不明。 安土桃山時代に実在した大泥棒石川五右衛門(ごえもん)の一代記。身寄りのない子供として農家に育てられたが、その利発さから寺に預けられた。経を読み、文を習い、修行を続けたが、剃髪得度を嫌って僧門を去り、盗賊になる意志を固めた。若年ながら各地の盗賊の頭を次々と配下に収め、勢力を拡大して行く。彼の本領はこの統率力にあったと思う。むしろ配下の子分たちを操って財を掠めることがほとんどで、この口演の中では茶道の宗匠無徳斎と称して京都三条河原…