1891-1974 東洋史学者。千葉県生まれ。文学博士。東方学会会長。 その研究はアジア史のあらゆる分野に及ぶが、中でも唐代の文化史、特に同時代を中心とする東西文化交渉史に優れた業績を挙げた。 モリソン文庫の将来以来、1934年まで「東洋文庫」主事としてその運営に力を尽くした。 著書に『長安の春』『東亜文化史叢考』等。
文京区本駒込。 この付近一帯がまだ「本郷區」と呼ばれていた 明治から昭和にかけ、私の曾祖父一家は この街に暮らしていた。 旧本多岡崎藩士であれば暮らすことができた 本郷區森川壱番地(現;東京都文京区本郷)の 本多岡崎藩旧江戸藩邸を経て、古い時代の家族 が暮らしたのは、本郷区駒込神明町にある 静かな一軒家だった。 幕末、江戸幕府解体により失業、路頭に迷う幕臣 たちを救済しようと、徳川幕府への忠義を胸に立 ち上がった、旧幕臣や佐幕派の脱藩志士たち。 彼ら「旧幕府軍」の先頭に立ち、箱館・五稜郭までを 戦い抜いた、総裁・榎本武揚とその妻 多津が静かに眠る 「吉祥寺」のすぐ隣にその家はあった。 ▶︎ 曹…
[概要] おもちゃ絵(子ども向けの浮世絵)は使って捨てられてしまう安価な子供の玩具だとして文化的価値が見出されなかった大正初期において、権田保之助はおもちゃ絵に興味を覚えて研究し、体系的に分類するとともにおもちゃ絵に文化的価値を見出し、日本最初の浮世絵研究誌「浮世絵」に大正4年7月から5回に亘って「文明問題としての玩具絵(おもちゃ絵)の研究」と題する論文を投稿している。また、自らおもちゃ絵を収集し、大正7年2月には白木屋呉服店での「おもちゃ絵の展覧会」におもちゃ絵を出品している。 権田保之助はおもちゃ絵をどういう観点で体系化して分類したのか、どこに文化的価値を見出したのだろうか。 1.日本最初…
前日、下鴨古本祭りも終わってしまい、オタどん邸にて古本分析会を行う。 朝起きると、電気がついたままで森さんが本を読みながら寝落ちしているのを発見し、微笑む。そういや前日深夜、森さんが「石田幹之助が! 安南本の小口書きを!」って叫んでいたなぁとて、当該箇所を写メす。 朝はいつものパン屋さんで朝食。いつも美味しいなぁここは。 などと思っていたら、雨が降り出し、土砂降りに。 いつまで待ってもやみそうにないので、戻るが、途中でずぶ濡れになってしまった。というのも、オタどんはスゲェ速さで歩いていくので、それに追随せんとしたら、わちきと森さんの足並みが乱れ、相合い傘状態だったので、それぞれずぶ濡れに、とい…
" id="はじめに">はじめに " data-en-clipboard="true"> 先日、ヒロオカ@shirlywang氏(広岡今日子氏)が、幼少期、湯島聖堂の中国料理研究部で食事をされた写真とツイートをtwitterに上げられた。 昔湯島聖堂で中国料理を出していたというのはほとんど伝説のような話になっていますが、実は私はガキの頃一度だけ親戚一同と行ったことがあります。爺さんに抱かれている女子が私ですが、なにせガキなので味がどうとか全然覚えてません。杏仁豆腐が出たことだけは覚えています。 pic.twitter.com/vtkVgIlGId — ヒロヲカ (@shirlywang) 20…
こちらが、講談社学術文庫版の『長安の春』(著:石田幹之助)です。 図書館から借りてきたもの。先日来、長安にハマった私はこの本を購入するつもりで書店をまわったものの、どこにも在庫はありませんでした。ならばアマゾンで入手しようと調べたところ… はぁ?イチマンニセン…ええ?!めっちゃ高騰しとるやんけ!(ちなみに定価は825円)まぁアマゾンには往々にしてこういうことがあるので、「日本の古本屋」検索で調べてみました。こちらは戦前の創元社版しかない。古いよ… あとは、平凡社の東洋文庫版がある。それならば入手可能か。でもたぶん読みにくい。いずれにしろこの本は手元に欲しい。図書館にあるので必要ならば借りればい…
ミネルヴァ日本評伝選は平成15年から刊行が開始され、令和元年に200冊に達した。その後も順調に刊行されている。本年1月現在刊行が予定されている本で、関心があるのは 樋口一葉、与謝野晶子、新島八重の3冊(佐伯順子) 泉鏡花(東郷克美) 萩原朔太郎(エリス俊子・栗原飛宇馬) 佐田介石(谷川穣) 西田直二郎(林淳) 石田幹之助(岡本さえ) 宮本常一(須藤功) 知里真志保(モコットゥナシ) 石母田正(磯前順一) 式場隆三郎(服部正) 先月には、稲賀繁美『矢代幸雄:美術家は時空を超えて』が刊行された。同書の刊行予定は、拙ブログの「『和田英作日記』から見た大正10年の柳田國男におけるフランス - 神保町系…
石井敦先生の『簡約日本図書館先賢事典:未定稿』(石井敦、平成7年3月)の向こうを張って、「オタどん編著『簡約大日本図書館先賢事典 未定稿』 - 神保町系オタオタ日記」をまとめたことがある。その後、館界でこれに刺激を受けたか(まさか)、日本図書館文化史研究会編『図書館人物事典』(日外アソシエーツ、平成29年9月)が刊行された。多数の図書館関係の人物が収録されたものの、割愛された人物も多いようだ。こういう人物事典に記載されていない無名、半有名な人物こそ面白く注目すべき存在である場合が多い。 今回は、東洋文庫の司書だった沼田鞆雄を紹介しよう。『東洋文庫五十年史』(東洋文庫、昭和14年1月)の「旧文庫…