小説。安部公房の代表作の一つ。1962年に発表。 第14回読売文学賞、フランスでは最優秀外国文学賞を受賞。 二十数カ国語で翻訳されている。 著者自身の脚本で映画化もされた。
主人公がある地方で、穴の中に落ち、そこに住んでいた女性との不条理な生活を描く。村人は主人公をあくまで 穴の中に閉じ込めようとする。
砂の女 (新潮文庫)
3月31日から一人で京都、大阪・高槻市、鳥取市・砂丘、兵庫県北部の城崎温泉、それから京都に戻る旅をしてきました。昨年の旅行はほぼ全部旅行社のバスで運ばれるお仕着せツアーへの参加であり、見るべきところは見られるが、なんか物足りないというか、今一つ達成感がない。見たというだけで、自分で歩いたという実感は沸かないのです。その点、一人旅はいろいろ自分でルートや宿泊先を考え、予約し、滞在先での時間も自分で調節できるのでそれなりの充実感があります。まあ、食事で言えば、セットメニューにするか、アラカルトで頼むかの違いでしょうが、その差は食事以上です。 京都では「新選組友の会」の仲間と落ち合い、壬生寺、壬生屯…
新潮現代文学 33 砂の女 密会 著者 : 安部公房 新潮社 新潮現代文学 33 砂の女 密会 作者:安部 公房 新潮社 Amazon f.2023/12/31 「砂の女」のみp.1978/10/11
土曜日、 この話は、自分自身がどういう状況に置かれているかによって、感想が変わってくるかもしれない。 安部公房の『砂の女』である。 www.shinchosha.co.jp この話を初めて読んだのは高校1年生の時。夏季休暇の読書感想文の課題図書であった。その他にも課題図書が2冊あり、一つが深沢七郎著『楢山節考』、もう一つが小林多喜二著『蟹工船』であった。今考えると、相当ハードな3冊だったと思う。ただ、当時の僕にとっては、どの本も非常に衝撃的であった。 その中で、一番よく分からなかったのが、この『砂の女』である。よく分からなかった、というのは内容が理解できなかったというのではなくて、なぜ主人公は…
《内容》 砂丘へ昆虫採集に出かけた男が、砂穴の底に埋もれていく一軒家に閉じ込められる。考えつく限りの方法で脱出を試みる男。家を守るために、男を穴の中にひきとめておこうとする女。そして、穴の上から男の逃亡を妨害し、二人の生活を眺める部落の人々。ドキュメンタルな手法、サスペンスあふれる展開のなかに、人間存在の象徴的な姿を追求した書き下ろし長編。20数ヶ国語に翻訳された名作。 これはすごい。 何がすごいってユーモアがあるところ。 サスペンス要素もありながらドロドロはしていない。謎のユーモアさとハラハラで進んでいくが、砂の息苦しさだけは濃厚に伝わってくる。 砂の女というより安部公房がすごくて怖い。 立…
《内容》 不自由で理不尽な社会で、心涼やかに生きるには?自由に生きれば欠乏し、安定すれば窮屈だ。どうしようもなく希望や理想を持っては、様々な”壁”に阻まれる――。そんな私たち人間のジレンマを乗り越えるヒントは、戦後日本のカオスを生きた作家・安部公房にある!「マンガ家・ヤマザキマリ」に深い影響を与え、先の見えない現代にこそその先見性が煌めく作家の「観察の思考」を、著者の視点と体験から生き生きと描き出す!(NHKEテレ「100分de名著」2022年6月放送予定「安部公房 砂の女」に講師出演決定) 最近やっと「砂の女」を読みました。 一緒に「箱男」も買ったんですが、こちらはまだ未読。 有名すぎる「砂…
You just gotta be strong and believe in yourself Forget all the sadness 'cause love is all you need ---------------------------------------------------- www.youtube.com ---------------------------------------------------- ---------------------------------------------------- 節約・節約・節約する 6月から電気代が40%アップ…
A penny saved is a penny earned. -------------------------------------------------- -------------------------------------------------- デヴィ夫人が23日、ウクライナの首都キーウや 民間人虐殺があったブチャの病院などを訪れ、 国内避難民へ防寒着やおむつなど 支援物資を届けた。 石油ストーブや医療品などが入った コンテナ4個が2月中にも現地に 届く予定だとしている。 デヴィ夫人の行動力凄いな。 どうやってキーウに入り込んだのだろう。 よく阻止されなかったな。 カネ…
斜面の絵はこれまでに何度も描いています。別に斜面が好きって訳じゃないのですが、因縁を感じるのですね。何しろ斜面を転がり落ちるような人生でしたから。 それがまた、高い所からだとまだしも、低いところからどん底ですからね、話になりません。 あ、高い所からだと逝ってしまいますね。まだどうにか生きているので…。しかしながら、ちょっと登ったと思ったらまた落ちてを繰り返す人生でした。七転び八起きどころじゃありません、八転び七起き。余裕もないのに何故絵を描いているかと言うのも、なんと言うかですね…。
おはようございます。 いつもありがとうございます。 今朝は4時過ぎに目が覚めました。高齢者特有の「ちょっと、そこまで、お出掛け」です。 その時に窓際へ寄って、外を見上げてみると、星空が広がっていました。だから今日は「晴れ」ると思います。 もう一度、横になったものの寝付けず、パッソコンの前に座りました。 そして、今朝一の記事づくりに‥。バックミュージックくらいにと考え、録画していた、チューリップ「財津和夫、僕の最後の歌を届けたい」を再生してみました。 キーボードの上の指が、止まってしまうような、最後のコンサート番組でした。 話を戻し、世良高原農場のダリアです。世良高原農場は、広島県世羅郡世羅町に…
適応力羽生善治扶桑社文庫2015年8月10日初版第一刷発行 なんか、面白そうな本ないかなぁ、、、、と、図書館の中を徘徊し、目に入った本。思考とか、自己啓発とか、そんな棚にあったような気がする。 羽生さんの本は、ちょっと気になっていたけれど、読んだことがなかったので借りて読んでみた。 感想。やっぱり、賢い人だ。とても読みやすく、分かりやすくご自身の考えがまとめられている。こねくり回した難しい表現があるわけでもない。とても簡潔に、丁寧に書かれている感じ。そして、引用されている様々な言葉、どなたかのコメント、書籍、、どれも、日本人の教養として身に着けておきたいよな、と思うようなこと。さすが、将棋の世…
年に一度の個展【樋口鳳香・墨美神®︎展】本日4/15(月)12:00から開催ですOnce-a-year Solo exhibition [Hoca Higuchi SUMIBISHIN®︎]It will be held today, April 15th (Monday) from 12:00. 今年の墨美神展は、きりりと喉越しのよいサイダーのような空間になっています 副題が『春の果て』ですもの。とろける甘さもあります ぜひ初日にお出でくださいね 作家、樋口鳳香は会期中、終日在廊予定です ファーストアートとしてお手に取りやすい小品もご用意しておりますので、 画廊初めてという方もぜひ墨美神に会…
実験的な文体と戦争体験にみる文学の深み 引用:https://www.ndl.go.jp/portrait/datas/4099/ 皆さん、こんにちは! 今回は安部公房に関する雑学をご紹介します! 安部公房は日本の文学界でその名を知られる作家です。 彼の作品は独特な実験的な文体と深い哲学的テーマで注目されています。 本記事では、安部公房の実験的な文体と戦争体験が彼の作品に与えた影響について探ってみましょう。 実験的な文体 安部公房の作品は、従来の物語構造や文体にとらわれない非線形な物語構造が特徴です。 代表作『箱男』や『砂の女』は、登場人物の内面を意識の流れとして描写し、読者は独特な体験をでき…
いよいよ明日4/15(月)12:00から【樋口鳳香・墨美神®︎展】開催です 2024年『樋口鳳香・墨美神®︎展』は、 刻々と過ぎてゆく『春』を惜しむ気持ちを込めて、副題を『春の果て』としました。 花弁をゆらす風、うねる空の水、芽吹きの雨、うららかな光と影、息遣いと気配。 墨のにじみという偶さかの中に、 この刹那の墨美神®︎の眼差しの速度と、春の濃密な息吹を感じていただければ幸いです。 展示総数は大小合わせて20点ほど。 葛飾北斎『蛸と海女』のオマージュ、2023年 現水展賞受賞作品『美貌の天瑞』のシリーズ展開もあり、 (現代水墨画協会主催『第62回 現水展』会場:東京都美術館)その多くに北陸、…
今年の墨美神®︎展は、ほとんどの作品に震災被害にあった北陸の『越前和紙』を使いました。その中でも墨美神®︎を表現するときによく使うのは麻紙です。麻紙は繊維が長く粗く、ダイナミックにランダムに薄墨が滲んでいくのが特性です。北陸、越前の麻紙は、紙そのものに強靭さもあり、また水を含んだ墨を受け入れるとふんわりと漂うように滲み広がっていきます。もちろん筆に含む水分のコントロールで、抑揚のあるキリッとした線も表現できます。 『越前白麻紙』こんなに薄いのに、調墨(墨のグラデーション)がとても綺麗に出ます 水墨画はいわゆる日本画と違い下塗りをしないため、白に見える部分は生の和紙そのものになります。墨を入れて…
4/15(月)から開催の個展【樋口鳳香・墨美神®︎展】今回は、定番となったモチーフ『龍姫』を華やかな『墨美神®︎きもの掛軸』に仕立てて出品します。龍の化身である龍姫の寿命は分かりませんが、今回は7歳と21歳を描きました。時を経て豊潤になるウイスキーのように『龍姫〜Aged 7 years』『龍姫〜Aged 21 years』と名付けています。 掛軸には、美しいピンク系の蘭模様の訪問着を使いました。蘭のうねり反った葉の流れが、空駆ける龍の動きを想起させますきもの裂地を使って表装する『墨美神®︎きもの掛軸』また『着物カルトナージュ額装』は作家、樋口鳳香のオリジナルです。一挙に展示されるのはこの機会…
描くきっかけは、世界の小澤征爾がご逝去されたことでした。小澤征爾といえばノーベンバーステップスで、November stepsといえば武満徹で武満徹といえば勅使河原宏で勅使河原宏といえば安部公房で安部公房といえば砂の女で映画『砂の女』を初めて見ました。若き頃の岸田今日子の肌が、砂の乾いた空気の中でひときわ艶かしく妖艶で美しかったです。The impetus for painting was the passing of Seiji Ozawa, one of the world's greatest figures.Speaking of Seiji Ozawa, he is known fo…
4/15(月)12:00~『樋口鳳香・墨美神展~春の果て』開催です。墨美神®︎とは樋口鳳香が水墨で描く、女神や精霊のような存在をいいます。(墨美神®︎は、樋口鳳香の登録商標です) From 12:00 on April 15th (Monday) , Solo Exhibition "Hoca Higuchi SUMIBISHIN®︎" will be held.SUMIBISHIN®︎ is a beautiful being like a goddess drawn with Sumi-ink by Hoca Higuchi.(SUMIBISHIN®︎ is a registered tr…
個展【樋口鳳香・墨美神®︎展】は いよいよ来週15日(月)から開催です。 会場となる 銀座画廊 美の起原 に伺いましたらDMがなくなっていたので、 わずかですが手持ちの10枚を置いてきました。 少ないですがサインと落款が入ってます。 お世話になっている銀座1丁目奥野ビル6階のギャルリーラーさんにも わずかですがサインと落款入りDMを預けてきました。 来週からの個展は、多くの方にご来駕いただけますように 墨美神とともにお待ちしております。 作家、樋口鳳香は会期中、終日在廊予定です個展【樋口鳳香・墨美神®︎展~春の果て】会場:銀座画廊 美の起原会期:4/15(月)~4/20(土)12:00~18:…
prtimes.jp情報は昨年既に公になっていたが、ガブリエル・ガルシア=マルケスの『百年の孤独』が、彼の死去から10年になる今年、遂に新潮文庫より文庫化される。百年の孤独作者:ガブリエル・ガルシア=マルケス新潮社Amazonいつからか「文庫化したら世界が滅びる?」などと一部で言われていたらしいが、6月26日にそれが本当か確かめられる。やはり新潮社の純文学書下ろし特別作品はなかなか文庫化されなかったことで知られ、安部公房『砂の女』、大江健三郎『個人的な体験』、遠藤周作『沈黙』といった昭和文学を代表する作品は、文庫化まで15年以上かかっている……が、それは随分前の話である。生前の文庫化を拒否して…
4/15(月)12:00より個展『樋口鳳香・墨美神展~春の果て』開催です。作品の一部は開催2日目以降にオンライン販売も並行して行う予定です。その際は特設ページに公開されますので、遠方の方にもご活用いただければ幸いです。 ☆個展特設ページ:https://銀座画廊.jp/sumibishin2024/From 12:00 on April 15th (Monday) , Solo Exhibition "Hoca Higuchi SUMIBISHIN®︎" will be held.Some of the works from the solo exhibition "Hoca Higuchi …
墨美神展記念アートカードが、刷り上がりました。今年も2種類×オモテウラで4種類の墨美神が印刷されています。 アートカードは個展のたびにその時々の出展作品で制作しているので、制作する側としても積み重なっていくのが楽しみなんです。 このアートカードは作品をお求めくださった方へ、ほんの気持ちとして添えたいと思っています。 アートカードのみの物販も予定しています さて、個展開催まであとわずかとなりました。皆さまにお会いできることを楽しみにしております。樋口鳳香は会期中終日在廊予定です。画廊初めてという方もぜひ墨美神に会いに来てください。そしてお気軽にお声掛けくださいね。 『美術の窓』掲載記事 個展【樋…
■評価:★★★☆☆3.5 「見立て物の面白さ」 【小説】僧正殺人事件のレビュー、批評、評価 『グリーン家殺人事件』のS・S・ヴァン・ダインによる1929年(日本語訳は1950年刊行)刊行のミステリー小説。 【あらすじ】だあれが殺したコック・ロビン? 「それは私」とスズメが言った──。四月のニューヨーク、この有名な童謡の一節を模した不気味な殺人事件が勃発した。マザー・グース見立て殺人を示唆する手紙を送りつけてくる〝僧正〟の正体とは? 史上類を見ない陰惨で冷酷な連続殺人に、心理学的手法で挑むファイロ・ヴァンス。江戸川乱歩が称讃し、後世に多大な影響を与えた至高の一品。(東京創元社サイト引用) 童謡の…
東洋画の代表である『水墨画』は、日本の軟水と墨によって、濃い墨色から地色である和紙の白に至るまでの、無限延長の濃淡と抑揚によって表現されます。軟らかな水を含んだ墨は、幾重にも重なる和紙や生地の繊維に絡みながら縦横に滲み、元に戻ることをしない。それは刻々と変化する心の有り様にも、前にしかない人生の時間のようにも感じられます。また画面を構成する要素である余白部分は何も描かれない『無』ではなく、気配や、時間や、心を映す『有』であり、水墨画は色彩の持つ感覚性を離れながらも、色よりも深く心を染めるものを内包することのできる芸術ではないでしょうか。 "Suibokuga", which is repres…
村上龍の『ユーチューバー』という小説。 発売当初に数時間で読み終わり、次の日にはbookoffの宅配買取。 最近また読み返したいなと思い、道端に落ちてないかなと思って散歩している。 前々から埴谷雄高の『死霊』を読み返したいなと思っているのだけど、なかなかの体力を必要とすることが予想されるので先送りになっている。同様に三島由紀夫の『豊穣の海 四部作』なんかも、ある程度読む前に気力がないと読み終わることが出来そうにない。 ウエルベック『闘争領域の拡大』読了。明日から『服従』を読む。 ウエルベックでは『ある島の可能性』が一番読みやすいかも。 安倍公房の『箱男』を読み返そうか迷っている。『箱男』をきっ…