長野県と群馬県の県境にある峠。峠と名前は付けられているが、実質的な片勾配の道で、群馬県側からひたすら上る道である。峠の最高点は標高956m。 碓氷峠周辺の地形が成立したのは、20万年前から30万年前という。当時の一帯は、火山活動に伴う噴出物が堆積した場所であり、比較的平坦な地形であったようだが、その下はかつての海底にあった砂岩や泥岩といった堆積岩層であり、浸食されやすい地層であった。そのため、東側で河川による浸食が始まると、火山岩層と堆積岩層の浸食速度の違いから、東側が大きく浸食されたことで、険しい片勾配の地形になったという。 碓氷峠は、信濃川水系と利根川水系を分かつ分水嶺にあり、気象的にも文…