磐井神社

呑川も目黒川も下ってみたが、海らしい海には出会えなかった。そこで「再び海を見に」ということで、城南島海浜公園まで行ってみようと無謀にも出かけたのは2019年2月23日のことだった。 すでに慣れていた環7を歩き、馬込銀座から大森駅を経由して京急大森海岸駅まで到達…… 大森海岸駅下のガードをくぐると第一京浜（かつての東海道）……国道だけあってさすがに広いのだが、横断歩道がない。歩行者はこんな歩道橋を渡れと言う。まったく人に優しくないと立腹したのだが、序の口だったと後で知る。 歩道橋は面倒なので、渡らずに第一京浜を南に少し歩くと、まったく予期していなかった出会い。下見で地図を見たときには気付かなかっ…

序文・江戸時代の処刑場 堀口尚次 鈴ヶ森刑場は、東京都品川区にかつて存在した刑場。江戸時代には、江戸の北の入口〈日光街道〉沿いに設置されていた小塚原刑場とともに、南の入口〈東海道〉沿いに設置されていた刑場であった。 元々この付近は海岸線の近くにあった1本の老松にちなんで「一本松」と呼ばれていたが、この近くにある鈴ヶ森八幡〈現・磐井神社〉の社に鈴石〈振ったりすると音がする酸化鉄の一種〉があったため、いつの頃からか「鈴ヶ森」と呼ばれるようになったという。また異説には刑場が設けられる以前の慶長5年関ヶ原に向かう徳川家康に庄司甚左衛門が目通りした際に磐井神社近辺で陰間茶屋を設けて徳川軍一行をもてなし、…

大森と花街の歴史は、明治から昭和初期にかけて、東京の代表的な花街の一つだったことに始まります。大森海岸（当時は八幡海岸と呼ばれた土地）の辺りは鉄道の発達とともに賑わいを見せ、磐井神社の鳥居前に古くからあった茶屋が維新後には料亭となり、花街としての歴史が始まりました2。最盛期には、料亭が40件、芸者が60人ほどいたといいます。 大森花街は、日本唯一の女形芸者 兼 女将 のまつ乃家栄太朗さんが有名です。栄太朗さんは、昭和43年に生まれ、幼少期から舞踊を習っていました。高校卒業後に大森花街に入り、女形芸者として活躍する一方で、平成9年にまつ乃家の女将となりました2。栄太朗さんは、大森花街の復興に尽力…

大森と花街の歴史は、明治から昭和初期にかけて、東京の代表的な花街の一つだったことに始まります。大森海岸（当時は八幡海岸と呼ばれた土地）の辺りは鉄道の発達とともに賑わいを見せ、磐井神社の鳥居前に古くからあった茶屋が維新後には料亭となり、花街としての歴史が始まりました2。最盛期には、料亭が40件、芸者が60人ほどいたといいます。 大森花街は、日本唯一の女形芸者 兼 女将 のまつ乃家栄太朗さんが有名です。栄太朗さんは、昭和43年に生まれ、幼少期から舞踊を習っていました。高校卒業後に大森花街に入り、女形芸者として活躍する一方で、平成9年にまつ乃家の女将となりました2。栄太朗さんは、大森花街の復興に尽力…