私が勤めていた企業グループでは、伝統的にOBの扱いが手厚い。以前はOBの意向がビジネスに影響を与えるきらいもあったが、それは危機を迎えての構造改革によって払拭(*1)された。私も2度目の定年を迎えているが、昨年から「社友クラブ」という冊子が送られてくるようになった。OBの集まる場、例えば<歩こう会>というイベントや月例会としてある人物の講演を聞く場が設定されている。 今月の月例会は、私より10歳ほど先輩のソフトウェア技術者が登壇される。この方は黎明期からの情報セキュリティ、今はサイバーセキュリティと呼ばれる分野の専門家である。月例会の講話タイトルは、自分の会社人生を総括したり、定年後の趣味を語…