『平家物語』に登場する白拍子。見事な芸と美しさによって平清盛の寵愛を受ける。のちに清盛は別の白拍子・仏を愛するようになり、祇王は清盛のもとを追い出される。しかし、自分と同じ境遇である仏の芸を見るよう、清盛に勧めたのは祇王自身であった。祇王は母・妹と寂しく暮らし、やがてともに出家する。そこへ、かの仏も出家したいと言って加わり、四人は静かに暮らし往生をとげたのだった。
平家物語〈1〉 (岩波文庫)
私が平家物語に惹かれるのは、平家にスポットライトを当てつつ、たくさんの登場人物による群像劇でもあるからだと思う。 その中で、描かれ方が画一的な分、想像の余地も大きい女性たちに注目してみたい。 今回は祇王と仏御前について、主に経済的視点(?)から考えてみたい。 祇王の物語は『平家物語』の序盤、個人的にはかなり唐突に始まる。 平清盛は好色なだけでなく残酷な人物ですよ〜という趣旨だと思うが・・・ もう少し具体的に書くと 祇王も仏御前も白拍子である。 白拍子とは当時の最先端の芸能で、祇王は白拍子のトップスターだったが、それゆえ清盛の目に留まり、屋敷に囲われる。 数年は寵愛を受けるが、仏御前という新人の…
1 厳寒の祇王寺を訪れる 2 一面の苔に覆われる境内 3 「薄墨椿」 4 祇王と智照尼 1 厳寒の祇王寺を訪れる 祇王寺は、平安時代に、法然上人の弟子である念仏房良鎮が開創した往生院に由来します。往生院は、山域一帯を占めていましたが、後年、荒廃し、わずかに一部が尼寺として残り、祇王寺と呼ばれるようになったと伝えられています。 祇王寺は明治初年に廃寺となりましたが、これを惜しんだ大覚寺門跡と京都府知事・北垣国道らにより、明治28年に再興され、昭和10年からは、明治・大正にかけて芸妓として一世を風靡した照葉こと智照尼が庵主として、寺の維持、発展に尽力されました。 ここには、薄墨椿と呼ばれる、やや黒…
嵯峨嵐山周辺は毎年テレビなどで特集が組まれるほどの紅葉の名所です。天龍寺や渡月橋周辺の紅葉が美しいのはもちろんですが、今回はそこから徒歩15分ほどにある紅葉の名所をいくつかご紹介しています。 今回ご紹介するのは、前回訪れた二尊院から徒歩5分ほど、奥嵯峨にひっそりと佇む祇王寺です。 (昨年11月末に訪ねた時の記録です。だいぶ季節外れですが、次のシーズンのご参考にお読みいただければ幸いです) 祇王寺の場所 祇王寺の行き方 祇王寺とは 紅葉の錦に包まれる庭園 草庵 嵯峨菊 宝篋印塔 祇王寺の場所 goo.gl 祇王寺の行き方 ・電車で ①JR嵯峨野線 「嵯峨嵐山駅」下車 徒歩25分 ②京福電気鉄道 …
神戸から京都へ。 源平合戦を辿る旅もこれでおわりかな。祇王寺です。源平合戦というより、祇王の物語は平家物語ですね。初めて来た祇王寺は素晴らしくよくて感動しました。それはいうまでもなく、平家物語を読んで祇王の話を掘り下げていたからこそです。祇王は、清盛に愛されていた白拍子でした。 ところがある日、仏御前という白拍子が現れて、舞を舞いたいと申し出るのです。清盛は断ろうとしたのですが、祇王は「すげなくして帰すのはふびんなこと、せめて会うだけでも」ととりなし、対面をしたのです。 するとすっかり仏御前が気に入ってしまった清盛。あろうことか、祇王(とその妹)を追い出し、仏御前を迎え入れてしまうのです。その…
〇歴史年表地図【7/30】 今日は当ブログの本題、作成中の年表地図の7ページ目 ”武士の台頭と鎌倉幕府の始まり” になります。 あくまで歴史初心者的な目線で見ていきますのでご了承ください。 内容途中に誤字や間違いなども,きっと見落としや勘違いなどもあるかもしれませんが、自家用として作成しているので、その辺はご勘弁。
京都紅葉見物旅行の2日目 の続きです。 二尊院の後は直ぐ近くの 祇王寺を訪ねました。 しかし、ここのモミジは もう殆ど散っていました。 祇王寺には何回か来てい ます。 枯葉のない時には苔むし た庭が美しいのですが、 今回は一面の落葉で庭は 覆われていました。 平清盛の寵愛を失った 白拍子の祇王が妹、母 と共に隠棲した寺です。 哀しい物語がこのお寺 を一層寂しいものにし ていますね。 祇王寺の次には厭離庵を 訪れました。 去年初めて訪れて素晴ら しかったので楽しみでし た。 入口が分り難い所にある ので、道路に案内の看板 が出ています。 小さな入口です。 この庵で藤原定家が百人 一首を編纂したと…
もみじの絨毯 こちらは嵯峨野 祇王寺 赤い紅葉に包まれるように祇王寺の草庵が静かにたたずんでいます 朝日で輝く照紅葉 祇王寺は、平清盛に愛された白拍子・祇王が、清盛の心変わりのために捨てられ、出家したと伝わる悲恋のお寺。晩秋の少し寂しい気配が似合うお寺です 朝は人もまばらな静かな嵯峨野 水琴窟の音が響きます 落柿舎を通り 嵯峨野のもうひとつ好きなお寺は小倉百人一首の小倉山の斜面に佇む日蓮宗の常寂光寺 苔の上に降り積もった紅葉がこのお寺の醍醐味です 10時を過ぎると人が増えてくるのでそれまで 賑やかな渡月橋を抜けて、桂川沿いに程なく歩いたお宿でお食事しました お部屋でゆっくりと お部屋から、美し…
波濤を越えて 記録用 京都南座 11/22 12:00 千秋楽日(前楽) 見学:岡﨑虎太郎、椿泰我 歌舞伎、能の伝統芸能と現代芸能が融合した舞台である『波濤を越えて』。歌舞伎とかちゃんと見たことないし、古典とか日本史とかサボって生きてきたから理解出来るか不安だったけど、本当に面白い舞台でした。 この舞台の重要な役柄、"源義経"に斗亜くんを選んで頂いたことが、決まった時もだけど鑑賞が終わった今は更に嬉しい。 "演技の仕事が好き"という斗亜くんが今回沢山のことを吸収して頑張ってると思うと私も元気が出るし、応援したい気持ちが一層強まる。好きを仕事にして結果に繋げてるのが本当に凄いと思う。 伝統芸能な…
悪い人は1人も出ないのに悲劇の結末。なぜ、悲劇になるかといえば、当時の価値観が「人の命」より親や家に対する「忠義」が上回っているからだ。「まあ人の命が一番大事よね」の今に生まれて良かった。現代でも「命が一番」ではない世界にいる人は一刻も早く逃げ出すことだ。悪い人は出ないと言ったけど、姑は意地悪。嫁が気に食わないと言って勝手に離婚させちゃうし、意地悪言うし。ただ盗みをしたり殺人を犯す悪人と言うほどでもない。 四代目竹本越路太夫が昭和40年に「決して悪人ではなく、ごく単純なお婆さん」と解釈して語りその後、嫁姑問題として解釈されて現代の文楽のレパートリーになったと解説されている。ええ。こんな意地悪な…
5万アクセス突破です。いつもありがとうございます! 〇吉田虎之助 (1868~1945) 政治家。立憲政友会選出の衆議院議員(2期)。滋賀県栗太郡常盤村(現草津市)生まれ。農業を営み、常盤村会議員、同村長、栗太郡会議員、滋賀県会議員を経て、衆議院へ。琵琶湖の水産物販売、治水などに尽力した。また琵琶湖で淡水真珠の養殖を研究した。 <吉田虎之助像> 場所:橘堂(滋賀県草津市志那町281) 竣工:1960年10月 像高: 作者:森大造 撮影時:2019年10月13日 説明:琵琶湖の湖岸に近い古い街並みの中にある「橘堂」という小さなお堂の脇に立つ。このお堂には、平安中期のちょっと面白い造型の三面六臂の…
それぞれの落葉掃く朝曇り日の小路小路 曇り日のここは明るき黄葉の欅広場に子ら飯を食む 岩壁の赤きロープに取りつける人影ひとつ山紅葉照る 学園の裏庭覗く日曜日消し忘れたる聖樹の明かり シドニーのマウンドに立つ松坂を熱燗酌みてわが声援す 表情のなきたたずまひ校門のあかとき浮かぶ少年の顔 解脱求めて 七首 雨降りて小暗き朝をさみしむか店に立ち入る雌鹿の群 南大門に人ら並べて撮る写真雨に濡れたる鹿が見てをり 飛鳥寺の如来の前に坐りゐて扇風機に吹かれ見上げてをりぬ 田の畦に石組古りてまろまれり蘇我入鹿の首塚といふ 来し東院堂に胸あつく聖観世音菩薩を仰ぐ 正面をひたに見つめて説きたまふ天と地を指す聖観世音…
京都一周トレランコースの一部を走ったり歩いたりしました。 嵐山嵯峨野駅出発。 嵯峨野では滝口寺(横笛と滝口入道の話)と祇王寺(白拍子の祇王ら四人が最後まで住んだ場所)が本当に近くにありました。 そこからあだしのを通って保津川に合流する川へ。 さだまさしの歌にもありましたが、風情のある街です。裏が大江山? しばらく川沿いが続きます。 京都一周トレイルは部分的に東海自然歩道と重なっている部分があります。トレイルの道標を見て行けば、ほぼ迷わずに行けます。トレイルの地図も買いましたが。 こういう所が続くのかと思いきや少ししかありませんでした。 高雄という所でぜんざいをいただきました。 これが想像より量…
ふれんず神話なので、設定や言説がときどき矛盾していることもきにしない おもいつきなど補足設定です 「いくさごっこ」 「いくさのさほう」 「うたき節」うたきせつ: 「いくさごっこのおわり」 皇女とおおかみの遊び ふれんずのわざそのちからは神戴となる 「さいごのうたき」 「称号」 祀神:さいじん 祭神、災神とも 筆頭:ヒト ”筆” 筆技:ふでわざ 神器 紋:(もん) 「ごえいか」 陽の称号 八犬士:(はっけんし) --------------------------------------------------十二支徒:(じゅうにしと) じゃぱり隊 闇の称号 みこ:(みこ) 四将 花伽衆:(かか…
途中で読むのをやめてしまった『平家物語』(古川日出男 訳)を再び読み始める。何故? 何故だろう。見てもいない「鎌倉殿の13人」の影響かもしれない。でも32回目は再放送で見た。突然大きな声を出すものだからびっくりしてしまったけれど、それは話全体を考えれば些末な問題である。どの登場人物も目が印象的で、引き込まれてしまった。ダークサイド北条義時、非情であるけれど嫌いじゃない。権力闘争については何故こんなことをしているのかが理解できなくて(理屈はわかるのだけど、実感に基づいて理解することはできない感じ)「平和が一番なのになー」と私は思う。自分がどんなことに幸せを感じるのかを理解しておくのは大事で、あれ…
2007年8月31日第1刷発行 祇園精舎 人の世ははかない定め 奢れる人も久しからず、唯春の夜の夢のごとし。 禿髪 清盛、少年密偵を京に放つ この一門にあらざらむ人は、皆人非人なるべし。 祇王 祇王と仏御前の確執と和解 日比の科は露塵ほども残らず。今は往生うたがひなし。 足摺 孤島に独り残された俊寛 いかにおのおの、俊寛をば遂に捨てはて給ふか。 橋合戦 宇治橋での死闘と宇治川渡河作戦 日ごろは音にも聞きつらむ、いまは目にも見給へ。 入道死去 清盛、高熱に悶死する 悶絶僻地して、遂にあつち死ぞし給ひける。 福原落ち 平家、都落ちし、西海へと船出する 積善の余慶家に尽き、穂悪の余殃身に及ぶ。 宇治…
こんにちは。共働き夫のうまそえおさむです。 今回は少し前に行った京都嵐山の祇王寺(ぎおうじ)について書こうと思います。 京都嵐山観光を検討されている方に参考にしていただけると幸いです。 きっかけは 祇王寺について 祇王寺へのおすすめのルート 祇王寺の苔に癒される まとめ きっかけは きっかけは、仕事に忙殺されていた年度末に、同僚から「苔(コケ)おすすめやで」と教えてもらったことでした。 祇王寺には境内のほぼ全てが苔で構成されており、その苔をぼぉ~と眺めていると癒されるのだそうです。 私たちは仕事が落ち着いてから、京都へ小旅行に行くことにしました。 祇王寺について 祇王寺は竹林と青もみじに囲まれ…