年末年始にかけて一ヶ月ほど豊後佐伯地方に帰省し故郷の歴史の現場踏査に臨んだ。先学諸氏とも交流の栄誉に浴したが、これまでの資料分析と違って今もって中々その成果を筆に託せない。感情が先立つのである。 偶然と言うべきか奇跡的というべきか、予期せぬ出来事も続いた。西日本平家会会長(平氏)との出会い、その縁で椎葉系那須一族(源氏)との対談、先学や縁者による筆者の系譜(大友氏、長宗我部氏)の発見と交流、おまけに行方知れずであった学友の半世紀振りの発見、と話題に事欠かない。中でも最大の発見、出会いは故郷の稀有なる自然、そこに暮らす昔と変わらぬ竹馬の友とのタイムスリップであった。 自然のみならずこの地方には埋…