4月に読んだ本は5冊だけだったが、うち4冊がミステリで、しかもその中には批判する目的でしか読まない東野圭吾作品が1つ含まれている。昨年来の多忙の疲れが新年度に入ってもまだ残っている体感がある。だから打率1割4分台にまで落ちてスワローズ7連敗の戦犯と叩かれている村上宗隆を責める気も起きない。お互い去年はきつかったよなあとつい思ってしまうからだ。もちろん村上の足元にも及ばない私だけれども。 しかしそんな4月最後に読んだ小泉喜美子の歴史的名作ミステリ『弁護側の証人』(1963, 集英社文庫新版2009)は良かった。本作はアガサ・クリスティのファン、特にアガサのミステリをあらかた読み終えた読者には強く…