表題の映画を映画館で観た。映画館に入るのは15年ぶりくらいだったと思う。 ※ 以下、ネタバレはあんまりないけど、厳しいことも書いているので、ご理解を。 令和4年(2022)10月に死去したアントニオ猪木の足跡を追いつつ、関係者が回顧を述べたり、現役レスラーが思いを語ったり、ドラマ仕立てで猪木に興奮した日常を懐かしませたり……というドキュメンタリ映画である。各人がそれぞれに猪木への思いを馳せるという意味で、「アントニオ猪木をさがして」というポエットな題がつけられたのだろう。 観賞して思ったのは、まさにこのタイトルの通り「主語のない映画だな」と。 この映画を前に、人は三つに分かれる。そのそれぞれ…