前回(第二回)の記事はこちら。 ajisimidaikon.hatenablog.jp Sympathy と Empathy 内海健『自閉症スペクトラムの精神病理』において、共感はASD(自閉症スペクトラム症)者を考えるうえで、定型者のそれと表出の傾向が相違する重要なポイントの一つである。 フリスは、本能的 instinctive な共感と、志向的 intentional な共感を区別して, 前者を sympathy, 後者を empathy と呼んでいる. 前者は「こころ」を介さない無媒介なものである. つまりは地続き的な共感である. むしろ「共鳴」, あるいはより即物的に「共振」といった方…