「善意だけでは、世界を変えられません。しかし善意なき改革は、世界を壊します。」18世紀後半のヨーロッパは、啓蒙思想という知的革命の時代を迎えていました。理性・自由・平等という普遍的価値を掲げたヴォルテール・ルソー・モンテスキューらの思想が、王侯貴族の統治のあり方を根本から問い直していたのです。この啓蒙思想に最も深く影響を受けた君主の一人が、神聖ローマ皇帝ヨーゼフ2世(在位1780〜1790年)でした。ヨーゼフ2世は10年間の在位中に約6,000もの勅令を発布したと言われています。宗教的寛容・農奴制廃止・司法改革・教育改革……その改革の速度と規模は、同時代の誰もが経験したことのないものでした。し…