私が最初に読んだ鈴木大拙の本は『日本的霊性』(岩波書店)で、当時はまだ学生だった。そして弟子入りしてから先生に『禅とは何か』(春秋社)を読むように言われ、その後先生と何度も読むことになった。 当時、この文章には本当に目を覚まされるようなショックを受けた。今も鈴木大拙と言えばすぐにこれ!と思う内容で、昭和2~3年の講演録だということも驚き。遅くなったが、師匠を偲んで紹介したい。(鈴木大拙の文章は改行が少ないのでブログ用に改行。野口晴哉は呼吸が深く長い人は改行が少ないと言ったが、本当にそうなのだ。今、読みやすいとされる文体とは大違い。) 第四講 証三菩提を目的とする禅 禅というものは具体性と創造性…