九谷焼が日本を代表する色絵陶磁器であることは周知の事実です。九谷焼の名工・初代須田菁華(すだせいか)は、北大路魯山人に陶芸の手ほどきをしたことで知られています。九谷焼では、吉田美統と三代目徳田八十吉のふたりが人間国宝に名を連ねています。そして、九谷と言えば「九谷五彩」。黄・緑・紺・紫・赤の鮮やかにして華やかな色彩が抜きん出た特徴とされています。 こうした華やかな装飾性に惹かれる九谷焼ファンが大勢いる一方で、そのけばけばしさに拒否反応を示す人もいるのではないでしょうか。どちらかというと自分は九谷焼が苦手です。料理の器にした場合、本来主役であるべき料理が脇役になってしまうように思えてなりません。そ…