今回は一風変わった歴史改変SF,「ヒト夜の永い夢」を紹介したいと思います。 舞台は昭和初め、博物学者南方熊楠のもとへ超心理学者福来友吉が訪れます。彼に誘われ参加したのは昭和考幽学会というあらゆる物事について考え討論する奇妙な学会でした。 そこで彼らは新天皇即位を祝う独自行事を考えます。そうして考え出されたのが粘菌を使って思考する生体コンピュータを持った人形、「天皇機関」の開発でした。 生み出された少女型のロボット、天皇機関を天皇に献上すべく独自の列車に乗り込む昭和考幽学会の面々でしたが、天皇機関は独自の思考をはじめ自体は思わぬ方向に向かっていきます。 著者である柴田勝家(本人の写真がネットにあ…