福翁自傳 幕末維新・明治の洋学者・教育者である福澤諭吉晩年の口語体による自叙伝。
1898年(明治31年)7月1日から1899年(明治32年)2月16日まで計67回にわたって「時事新報」に掲載された。単行本は1899年(明治32年)6月15日に刊行。 福澤自身の人柄性格(キャラクター)が判るだけでなく、幕末から維新にかけての動乱期に、近代思想の先駆者として日本を大きく導いた当事者による自叙伝は、日本近代史の重要な文献でもある。「門閥制度は親のかたき」等の有名な言葉もこの自伝からである。
今日の積み上げ 機械学習 かめさんのUdemy機械学習超入門講座【後編】 セクション6:PCA(最後まで) その他 何のために勉強するのか。目的なし勉強の楽しさが原動力(福沢諭吉の自伝「福翁自伝」より) 機械学習 enterprisezine.jp 昨日ブログで「経営層と現場(MLエンジニア、データサイエンティスト、ドメインエキスパートなど)の橋渡し役として立ち回れる人」の話を書きましたが、まさにそのことを発信しているブログ記事を発見!(なんてタイムリーな!!) 記事では、レイクハウスを「DWHとデータレイクの長所を組み合わせた新たなデータプラットフォーム」として紹介した上で、データエンジニア…
サンクコスト(埋没費用)とは、すでに使ってしまって取り返しようがない投資額や時間のことを言います。たとえば株式投資をしたが、株価が下り回復する可能性がないとき、その投資額がサンクコストと言えます。基本的に、回収できる見込みがないなら、サンクコストはきっぱり忘れて撤退すべきなのです。ただし、一律に撤退がいいとは言えないのが、判断の難しいところです。時間の経過とともに、思わぬ効果が現れて好転することがあるからです。状況を見極める必要があります。 大竹文雄さんの著書「あなたを変える行動経済学」(東京書籍 2022年)によると、福澤諭吉さんが大坂の適塾(てきじゅく)で学んだ「オランダ語の勉強」がサンク…
明治初年は文芸文学の空白地帯とされる。 それを埋めてあまりあったのが福沢諭吉『学問のすゝめ』や中村正直『西国立志伝』、他、明六社同人の啓蒙活動である。 その「実学」への偏重は、文学はともかく明治以降の「学問」のありかたを決めた。それについては明六社のはなしになるから譲るが、近代文学史が近代思想史からはじまることは、不思議といえば不思議である。 少なくとも『学問のすゝめ』は、文学っぽくない。 それは昔のひともそう思ったようで、この作文でもしばしば参照にしている筑摩書房の『明治文學全集』はその第一巻を「開化期文學集」と銘打って戯作文学からはじめている。 正しいかどうかまでは筆者には分からないが、れ…
今年、一番読んでよかった本です。 「福翁自伝」(福澤諭吉 氏 著、富田正文 氏 校注) 福澤諭吉先生、66歳の時に著した自伝。その2年後の1901年没。享年68歳。 慶應義塾大学の新入生には、もれなく、入学記念として福翁自伝が贈られます。 私もその一人。 大変恥ずかしながら、もらったまま、全く手をつけておりませんでした。 諭吉先生にも、先輩の塾員方にも、怒られてしまいそうです。 (慶應義塾では、先生は福澤諭吉のみという考え方で、教員・教授たちは「君」づけで呼ばれます。また学生のことを塾生、卒業生のことを塾員と呼びます。) 1ページもめくられることなく新品の状態で実家の本棚に眠っていたこの本に、…
言わずと知れた自伝本の名著、傑作。 親友のお子さんがお受験するということで福翁自伝について尋ねられて、「しばらく読んでなかったな」と思って読み直した。 つもりだったけど、私が読んだのは『学問のすゝめ』だった。 福翁自伝、初読み。 江戸末期から明治初期の時代が割と好きということもあって、それだけでも歴史本としても興味深く、面白く読んだ。 福沢が緒方洪庵に学んでいた頃は、まだ幕府もあって明治政府のない時代のこと。その頃に洋学をいち早く身につけて切磋琢磨しながら勉強していた若者たちがその後の日本を作ったのだなということをしみじみ思いながら読んでいた。 「お受験」を念頭にしながら読んでいたので、福沢自…
現代語訳 福翁自伝 (ちくま新書) 作者:福澤 諭吉 発売日: 2011/07/07 メディア: 新書 おすすめ度: ★★ (3つ星が最高点) 『学問のすすめ』などを著し、慶応義塾大学を創設した福沢諭吉による自伝。 幼少期から時系列順に語られているが、下級武士の元に生まれた諭吉は、若いころから「先祖代々、足軽の家に生まれたら足軽のまま」である封建制度に強い反発があった。この反骨精神は生涯にわたって諭吉の原動力となる。 長崎でオランダ語に出会って、諭吉は西洋学に初めて触れる。本格的にオランダ語を学び始めるのは、兄を頼って大阪に出て、適塾で学び始めてからである。 適塾で学んでいた頃、ある大名が洋書…
川嶌眞人『玄真堂と私の歩み』という232ページの書が届いた。 大分県中津市の社会医療法人玄真堂、川嶌整形外科の理事長の川嶌先生の80歳の傘寿を記念して刊行された1冊である。 中津に世界水準の医療を、という志のもと、「敬天愛人」「不撓不屈」「苦楽吉祥」「温故創新」の精神で過ごした42年間の歩みが記されている。 福沢諭吉の旧宅の近くで育ったこともあり、『福翁自伝』などを読み郷土の偉大な先人の影響を受けた。本を読み読書録をつくること、そして目標を定め実践していく習慣を自得する。 川嶌先生の「潜水病と骨壊死」をテーマとした研究は高気圧学会の仲間とともにすすめられ、潜水病、感染症、そして整形外科に治療に…
熊本グリーンホテルをチェックアウトし、市電で新町のパーキングへ。 3時間半かけて大分県中津市へ。 道の駅の手作り弁当でお昼。 途中邪馬渓がきれいだな、福沢諭吉も知っていたのかなと横目で見ながら考えていたら、なんと彼は当然知っていただけではなく、自然保護のためそこの競秀峰を買い取ったそうだ。 この家は福沢諭吉が子供時代を過ごした家。正確にはお母さんの実家である。5℃と寒かったが桜は咲き始めていた。ちょうどお雛様が飾られていた。 感動したのは長男を病気で亡くし、さらに大阪に向かう次男の論吉を送り出した時の母の言葉。 「兄が死んだけれども死んだものは仕方がない、 お前もまた他所に出て死ぬかも知れぬが…
◎振替休日の12日、散歩の帰り唐池公園の東口から入った所、左手の木下蔭にアヤメが咲いていました。カンザキアヤメ(寒咲き菖蒲)の大株でした。 まばゆいほどの透明感のある黄色。リュウキンカの花です。 ◎1月、能登半島地震の義援金のことで出かけた郵便局で見たポスター。 今年はお札が新しくなるんですね。1万円札は渋沢栄一、5千円札は津田梅子、千円札は北里柴三郎。渋沢栄一はNHK大河ドラマ「晴天を衝け」で1年間、津田梅子は最近のNHKドラマ「大奥」の最終場面で登場でした。 ◎と言うことは、1万円札の福沢諭吉さんは今年でお終いということに。昨日の朝日新聞が福沢諭吉さんを取り上げていました。一万円札の肖像を…
神の被造物からただの物 〜自然観の転換 創世神話と自然世界 神の被造物としての物 物の数学的認識と神意の切断 気になったら読んで欲しい本 【デカルト『幾何学』】 【小阪修平『イラスト西洋哲学史』】 【福翁自伝】 神の被造物からただの物 〜自然観の転換 ではデカルト以前の自然世界はどのように捉えられていたのでしょうか。 創世神話と自然世界 神によって世界は説明されていた、と前回書きましたが、キリスト教にはそもそも有名な神話がありますね。聖書に書かれている、神が7日で世界を想像した、というものです。ここから発して中世ではあらゆるものが神の被造物として捉えられていたようです。それは人間もそうですし、…
フグは身近な毒物だ。 入手が容易で、 高い致死性をもっていて、 おまけに日本人ならば、ほとんど誰もがその性質を知っている。 「喰えば死ぬ」という共通認識、この普遍性がミソなのだ。この特徴ゆえ、他人を揶揄う材料として、フグは非常に便利であった。 (Wikipediaより、クサフグ) 鯛なり鱈なり何なりと、別な魚類と偽って、こっそりフグを食べさせて。しばらくしてから――胃洗浄しても無駄な時分になってから、 「ありゃ実は……」 と、おどろおどろしくバラすのは、もはや定番のネタである。やられた方は蒼褪めて、瘧(おこり)のように慄えだす。そこを愉しむ寸法である。 人が悪いと言えばそう、毫も反論の余地がな…
2023年の読書メーター読んだ本の数:164読んだページ数:32886ナイス数:704現代語訳 舞姫の感想読みやすかった。 内容はなんとも言えない。読了日:12月26日 著者:森鴎外ウィッチャーII 屈辱の刻 (ハヤカワ文庫FT)の感想登場人物が多すぎるのと、場面がコロコロ変わりすぎるのがダメで、途中で力尽きた。読了日:12月19日 著者:アンドレイ・サプコフスキウィッチャーI エルフの血脈 (ハヤカワ文庫FT)の感想読みやすくて面白い。 先にゲームの「ウィッチャー3」の方をやってれば、登場人物は大体知っている人ばかりで、なお読みやすい。読了日:12月02日 著者:アンドレイ・サプコフスキ天才…
慶応義塾大学三田図書館旧館八角塔脇の小道を入っていくと・・・(入っていいんだろうか?と、一瞬躊躇してしまうような裏道感のある所ですが・・・入っていいんですw) 何やら小高くなっている所があります。 ここは「文学の丘」(丘?っていうか、石が積まれ土がこんもり盛り上がっているだけのような・・・いや、でも丘なんですw)。慶應ゆかりの文人たちの、文学碑や石像の並んでいる丘です。 まず目に入ってくるのは、吉野秀雄(明治35.7.3~昭和42.7.13 歌人・書家)の歌碑。 図書館の 前に沈丁咲くころは 恋も試験も 苦しかりにき 群馬県高崎出身の吉野は、『福翁自伝』(福沢諭吉 明治31.7.1~32.2.…
「歯科医ほどつまらぬものはない」 暗澹たること、鄙びた地方の墓掘り人足みたいな貌(かお)で、真鍋満太は言っていた。 自分で選び、自分で修めた道ながら、この職業の味気なさはどうだろう。毎晩毎夜、布団にもぐりこむ度に、我と我が身の儚さがここぞとばかりに押し寄せて、いっそ消滅したくなる。――そういう愚痴を、昭和十年前後に於いて、くどくど掻き口説いている。 「何故かと言って、考えてもみろ。俺が虫歯を治療(なお)してやって、大変見事に出来たとしよう。いや、仮定じゃなく、何度も何度もなんべんも、到底義歯とは見分けがつかぬ、生まれながらの歯みたいに、完璧に仕上げてきたんだが。すると患者はお定まりの口上を、 …
今年は週に一冊本を紹介することを目標に読書をしていた。だいたい金曜日までに一冊読み終わっていればよくて、早めに読み終わった本が溜まることもあれば、ギリギリまで読み終わらないこともあった。一種の締切があったので安定して本を読み続けられた。リズムは大事。 一年は52週。読んだ本も52冊だった。これ以外は読んでないと思う。漫画も最近は読まない。当たりはこのなかで5冊くらいで、もうちょっと基準を緩くしたら20冊くらいだと思う。下のリストで⭐️をつけてある。 三割くらいはダメな本だった。途中で投げればいいものを、サンクコストにやられていつも最後までめくってしまう。最初の数ページで捨てる判断もできていない…
当ブログで紹介した宮島未奈『成瀬は天下を取りにいく』ですが、なんと雑誌「ダ・ヴィンチ」のBOOk OF THE YEARにおいて小説部門1位に輝きました!おめでとうございます!デビュー作で1位・・・。 ---ずっと角田光代訳『源氏物語』を読み続けているため、今回も「今まで読んだ中で特に印象に残っている本」を紹介したい。伊藤正雄訳の福澤諭吉『現代語訳 文明論之概略』である。 明治8年に出版された大書『文明論之概略』。これを福澤諭吉研究の第一人者が現代語に訳し、註と解説を付した本である。2010年に復刊された。 封建制度の中で生まれ育った福澤諭吉が、西洋の政治哲学、さらには「文明」というものに触れ…
中国人は我が国にもこうした人材が19世紀にいればと評価されている日本人の一人に 福沢諭吉がいる。それは福沢山脈と称される産業界への貢献のみならず文明開化思想の先鞭をつけた点が大いに賞賛されているのだろう。 そして、教育の普及がその第一歩であることを実践したわけだ。明治期に私財を投じて高等教育の礎を築いた人びとはなんと多いことか! 早稲田大学、明治大学、東京理科大学、立命館大学、同志社大学、立教大学等々と現存の私学はその伝統を今も灯し続けている。 前置きはここまでで、慶応義塾大学の男子学生は俗にケーオーボーイと呼ばれている。異性への好印象や交遊が際立つ点が他大学生と違っているという印象がある。 …
※2024.3.23加筆修正 もともとの記事は、入学願書の準備をする時期(12月頃)に書いたものでした。 入学願書の志望理由の書き方についてです。 しかし、今年の入試結果をみていて、あることに気が付いたのです。 第一志望校に合格した生徒は、みな早い段階から志望を確定させていた生徒ばかりであることに。 本来は、まず最初に志望校があって、そのために努力して合格に至る、それが王道です。 12月になってから志望理由について悩んでいるのは遅すぎるのですね。 そこで、春のこの時期からどのようにして「自分の中の志望理由」を言語化するのか、そこに焦点を当て直してみたいと思います。 1.私が志望理由の添削指導を…
昔の日本の外国語習得の様子 福沢諭吉による時代との直面 緒方洪庵の適塾での外国語習得の様子 とにかくなんでも徹底して読み、一度徹底して読めば他の語学は楽になる 文字通りの寝食を忘れた学習 余談:手塚良庵と剣の達人としての福沢諭吉と母 参考となる本 【福翁自伝】 【手塚治虫『陽だまりの樹』】 【福田和也『超・偉人伝』】 昔の日本の外国語習得の様子 渡部昇一が模範としたような文法の水準からの外国語理解、というものはどのようなものでしょうか。実はこれもちゃんと昔の本に書かれていたりします。 福沢諭吉による時代との直面 それはかの有名な福沢諭吉の自伝にあります。福沢諭吉は幕末に日本の外に中国やインドを…
図1. ICPC 会場の様子 はじめに 2023/11/25 - 11/26 に開催された ICPC アジア地区横浜大会にチーム masamune として参加したので、記憶が飛ばないうちに記します。 自己紹介 まーたというハンドルネームです。各種サイトには ma_tw というユーザ名を使っています。一応アルファベットだと Marta なのかなと思っています。 編集時点で競プロは水色。早く青になりたいと思いつつ、精進ができていません。 masamune について チームメイトのお二方は momoyuu さんと だれ さん。編集時点でどちらも AtCoder 黄色なので、黄黄水とかなり実力に差があ…
16年ほど前、愛知県の東海市と姉妹都市になったブルサ県のニルフェル市(区)で、双方の中学生のハンドボールチームによる親善試合が行われた。 大人でも全般的にトルコ人の方が大柄であるように思えるが、中学生では第二次性徴の早いトルコ人が日本の少年たちより頭一つ大きいように見えた。それでも、チームプレーに勝る東海市の中学生チームが勝利したと記憶している。 ニルフェル市のチームには、体が大きく身体能力に優れた少年たちも多かったが、甚だしい個人プレーで巧く得点に結びつけられなかったようだ。 東海市チームの先生の指摘によると、試合中に全くパスをせず、ボールを受けたら必ず単独でドリブルにより突き進んでシュート…