福田善之の初期戯曲『真田風雲録』『オッペケペ』『袴垂れはどこだ』の魅力は圧倒的だった。私は初演に間に合っていない。再演興行を観たり、映画化作品を観た世代だ。戯曲を読んで興奮した。学生演劇でもしばしば上演されたから、観る機会はあった。 喜劇仕立てやミュージカル仕立ての、革命劇だ。いや革命風刺劇だ。ある一時期には、新左翼的心情を抱く若者にとってのバイブル的演目ですらあった。 新左翼的ではなかった私も、今日まで長く、この作家には関心を抱き続けてきた。革命風刺といい革命茶化しというも、その視点は上意下達の革命論を批判しているのであって、革命そのものを否定しているわけではない。むしろ草の根からの自己変革…