(concession、コンセッション) 行政自治権や治外法権をもつ清国(のちに中華民国)内の外国人居留地である。阿片戦争後の不平等条約により中国大陸各地の条約港に設けられた。「租」とは年貢や田賦のことで、租借地・租界とは税を取って借す領域、あるいはより狭い区域のこと。租借料が支払われることを想定した用語であるが、実際にはそれぞれの条約によった。
昔、上海には外国人が住む租界(外国人居留地)と呼ばれる場所があった。1842年の南京事件で列強が設けた共同租界、フランス租界、そして、1937年に日本軍が中国から勝ち取った租界などである。 日本の租界ホンキュ(虹口)はユダヤ人を積極的に受け入れていて、ナチスの迫害から逃れてきた彼らの一時避難地だった。私が読了した「ナチスから逃れてきたユダヤ人少女の上海日記」という本は、今まで思い描いていた租界のイメージを180度変えてしまった。 租界というと戦後の流行歌などで、「夢のスマロの霧降る中で何も言わずに別れた瞳、リル、リル」にあるようなひどくロマンチックな場所だと思っていた。スマロ(四馬路)はホンキ…
上海に残るレトロな洋館や石畳の街は、かつて「租界」と呼ばれたエリアに多く残っています。租界とは、19世紀半ばにアヘン戦争でイギリスに敗れた清(現在の中国)とイギリスとの間で結ばれた南京条約において建設されたエリアで、半植民地のようなもの。 一方的な不平等条約の一つに上海などの開港があり、いくつかの国が「租界」と言われる治外法権地区を建設しました。大きくわけると、イギリスやアメリカ、そして日本などの共同租界と、フランス租界のふたつがあります。 ここ最近何度か書いている虹口(ホンコウ)区も上海開港時につくられた租界エリアで、ガイドブックなどでは日本人租界と書かれているものありますが、正しくは各国共…
今回は僕の「泣いてしまう曲」を紹介したいと思います。 さだまさし「フレディもしくは三教街〜ロシア租開にて」 確か中学生の頃。夏の夜風は心地良く、枕元に置かれたカセットから流れてきたこの曲は「なんて綺麗な曲だろう。外国の空気が伝わる歌だなぁ」と感じさせてくれました。 当時はそこまで歌の意味など知ろうとはしていなかったので、聴くともなしに耳に入る歌詞は「どこか遠い外国のラブストーリーの歌かな…?」くらいに思えてました。 ですが、やがてこの曲の内容を知ることになった時には涙が止まりませんでした… これはとても美しく、儚く切ない映画のような曲なのです。 そして最も美しい反戦歌なのです アヘン戦争後の半…
目次 1.天津の概要 2.天津の観光地 1.天津の概要 今日は2009年2月26日放送の世界ふれあい街歩きで紹介された中国の天津について調べてみた。 wikipedia:天津 天津は約4千年前に陸地となった沖積平野。 隋の時代に築かれた京杭大運河の南と北の合流点が天津の発祥地と考えられている。 唐の時代には製塩場が設置され、元の時代には水路による食糧輸送の中継地として栄える。明の第三代皇帝である永楽帝は皇子時代、第二代皇帝である建文帝と皇位を争い北京から軍を率いて南下した。その際この地を渡って南京へ進軍し皇位についた。 この出来事で天子が河を渡った場所という意味の天津という地名を名付けられる。…
特にチェックもしていなかった作品だけど、李現主演…と思って観てみたら、意外に面白い。舞台は民国期の上海。両親の殺害犯から8歳の女の子を守りながら、真相を探るサスペンスもの。 ここから先はストーリーに触れています。ご注意ください。 「群星閃燿時」微博より 子連れ姿も似合う李現 -------------------------------------- リズムが早く複雑なストーリー展開 民国期、日本軍が南京辺りでも勢力を伸ばし戦争まで一触即発、辺りの時代。華楨(李現 飾)は南京の上流階級の出身で、大学を出たばかり。恩師から一冊の本を上海のある人物に渡してほしいと頼まれるが、恩師はその後共産党員の…
またちょっと良いレストランに行ってきた。お誕生日だったので、私の🥳 上海に来た当初から気になっていたフレンチのレストラン。 Mr & Mrs Bund by Paul Pairet / 黄浦区中山东一路18号外滩18号6楼 この外滩18号っていうビルは、上海で一番夜景が綺麗に見える場所にあって、前に行った広東料理のHakkasanも入っているめちゃイケビル。建物自体も租界時代に建てられてたもので、パリとかロンドンとかにありそうな西洋風の素敵なビルなの。行ったことはないけど、お寿司の銀座おのでらも入っているらしい。 窓際の席からの眺め。 この浦东のタワー群の眺めがThe上海。 そういえば日本語を…
自分の子供に人工頭脳を搭載されたAF(Artificial Friend)を親友にしますか? それとも、もっと… 読みながら、「ミーガン」や「本心」も思い出しました。 どれもAIをテーマにした作品ですが、機械が「心」を持つというのは私達にとってどういう事なのかを考えさせられます。 作者 【クララとお日さま】のあらすじ クララに決めて良かった【クララとお日さま】あらすじとネタバレ感想 第1部 第2部 第3部 第4部 第5部 第6部 ザ・クリエイター創造者のあらすじ 【ミーガン】のあらすじ 【本心】のあらすじ カズオ・イシグロの本 遠い山なみの光 浮世の画家 日の名残り 充たされざる者 わたしたち…
今までも何度かブログに登場した愚园路(ユーユエンルー)。静安寺(ジンアンスー)から中山公園(ジョンシャンゴンユエン)までのおよそ2キロほどの1本道。中間らへんの1部区間は立ち退きが進んでいるみたいなので再開発が始まるのかな。中山公園側は上海のメジャーカフェストリートのひとつ。 租界ではないけれど、租界の外側に勝手に広がっていった租界のようなエリアで、通り沿いに1900年から1950年に建てられたお屋敷や建造物が並ぶ愚园路は、上海市に12ある歴史文化風貌保護区のひとつ。 その中の、と言うか上海の中でも最もミステリアスな裏通り(弄|ロン)とそこに集まる住宅たち(弄堂|ロンタン)が、わたしの最後の上…
名誉と恍惚(上) (岩波現代文庫 文芸357) 作者:松浦 寿輝 岩波書店 Amazon 名誉と恍惚(下) (岩波現代文庫 文芸358) 作者:松浦 寿輝 岩波書店 Amazon 以前読んだ『香港陥落』につながる大作です。 舞台は戦前の上海。日本人の警察官芹沢が、陸軍将校の嘉山から接触を受け、上海の裏社会を牛耳る大物の蕭を紹介するように依頼される。芹沢は、蕭の伯父で時計屋を営む馮とは面識があった。その馮を通じて蕭を紹介してほしいというのが嘉山の依頼だった。 しかし、この依頼が芹沢の人生を狂わせる。芹沢は組織を追われ、工場労働者、映画技師と職を転々として逃亡生活を送る。やがて、馮の姪で蕭の第三婦…
「100分de名著」は大好きな番組ですが、今回、立木(ついき)康介先生が出演されることを、テキストをお送りいただき初めて知りました。 立木先生との接点は意外なことに「上海」なのです。 関西日仏学館の歴史を調べておられる立木班と私たちの上海フランス租界班が共通のキーパーソン、シャルル・グロボワを通じて結びついたのです。 グロボワは戦後、関西日仏学館の館長を務めていましたが、その前は30余年、上海で音楽評論の執筆を通じて楽壇を牽引していました。教育総監でもあり、自由フランス運動家でもある多面的で複雑な人物です。 さて、フロイトの夢判断の番組テキストはわずか113ページですが、凝縮された文章、それで…
一条真也です。ついに4月になりました。ブログ「北九州市への提言」で紹介したように、1月15日、わたしは北九州市公式HPに掲載するためのインタビュー取材を受けました。そのときのインタビューがHPにアップされました。 インタビュー集の表紙 北九州市公式HPより 「北九州市新ビジョンにかかる有識者インタビュー集」のタイトルで、冒頭には以下の挨拶文が書かれています。「北九州市の新たな基本構想・基本計画策定に向け、令和5年(2023年)9月から令和6年(2024年)1月にかけて実施した有識者インタビューでは、たくさんの皆さまに、北九州市の過去(将来も引き継ぐべき歴史や価値観)・現在(ポテンシャル)・未来…
・ ・ ・ 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。 ・ ・ {東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博}・ 歴史的事実として、日本は古代から被害者であって加害者ではなく、日本に対する侵略と虐殺を繰り返していた中国や朝鮮に対して報復権・復讐権を持っていた。 ・ ・ ・ 日本は世界で信用されている、日本人は世界で愛されている、はウソである。 日本は、昔でも今でも宗教的人種差別主義や白人至上主義の攻撃を受けている。 ・ ・ ・ 2024年3月30日 YAHOO!JAPANニュース ニューズウィーク日本版「日本軍が3000万人を虐殺した!? 櫻井よしこ氏も激怒した本『日本のホロコースト』の作者に…
ぷかしゅ*1「隆昌路の古い集合住宅、上海の共同租界」https://whostolemysheep.hatenablog.com/entry/2024/03/27/220000 上海楊浦区の隆昌路にある「隆昌公寓」という1930年に建てられた集合住宅。 これって、周星馳(Stephen Chow)*2の映画『功夫』(日本でのタイトルは『カンフーハッスル』)の舞台「猪籠城寨」のモデルになったところかも知れないと思った。 私が上海に住み始めたのは2005年の秋だけど、そのくらいのときに、『功夫』の「猪籠城寨」のモデルになったアパートが楊浦区辺りにあるらしいという話を聞いて、行ってみようとしたのだけ…
上海特有の古い時代の居住形式の弄堂(ロンタン)。都心の駅近エリアにもドンとある。そんな中心部の弄堂2つ。よく寄り道する弄堂だけれどあらためて写真を撮ったのは初めて。 ひとつ目は「淮海坊(ファイハイファン)」。地図を見るとグッチやブルガリの文字が見えるように、iapmという高級ショッピングモールのすぐそば。 7年、iapmに初めて来た時に周辺をちょっと歩いてみようと迷い込んだ弄堂。Apple Storeだプラダだなんだと言っているすぐそばに、こんなタイムリープしたような場所があるなんてと、上海の魔都っぷりにときめいた思い出。 フランス租界時代の目抜通りAvenue Joffre(現・淮海中路)と…
もうすぐ帰国だというのに最後まで何をしているんだろう・・・と思いながら、今日は楊浦(ヤンプー)区の古い集合住宅を見に行ってしまった。 地下鉄12号線の隆昌路(ロンチャンルー)駅で降りて駅名と同じ通りの隆昌路を行く。このあたり、租界時代は共同租界が置かれていたところ。隆昌路の周りを見るとそれっぽい建物の名残(保存されているものも、廃墟となっているものも)がある。 造りが福建土楼の四角バージョンみたい 本日のごちそうは、隆昌路362号、隆昌公寓(ロンチャンアパート)と呼ばれる集合住宅。共同租界の警察職員の住宅として1930年に建てられた。イギリス人の建築家の設計。近年一旦取り壊されかけたのだが、市…
5chアニ速割りと被害者5chアニ速虐殺後の切れスザク好きだったのにr2大人しすぎて物足りない5chアニ速放送当時はグダグダ感もあってヘイトを押し付けられた一人の認識だけど5chアニ速今見ると大分印象が変わる5chアニ速 アスラン並の裏切り人生5chアニ速 流石にアスランは核みたいなのを事故とは言え街中で撃たないよ5chアニ速 体制を内側から変えようとしている人間として異常なまでの出世スピード5chアニ速 憎しみ抱えてる方がキャラとして好き5chアニ速 父親さえ殺していなければ5chアニ速 自殺願望抱えた騎士が異国の姫様と出会って救われるって流れは好きだった5chアニ速誰かさんのうっかりさえな…
弄(ロン)は路(ルー)より小さい単位の通りのことで、路地のような道。そしてその路地に並ぶ2、3階建てのメゾネット形式の住宅を弄堂(ロンタン)と呼び、上海界隈特有の居住形式なのだそう。1845年からの上海の旧租界(外国人居留地)内の中国人向けに建てられた弄堂が今も上海の街中に残っている。 超高層ビルやリノベーションされた素敵上海はもちろん、100歳越えの建物も多く、現役のアパート群ではあるものの、いつ再開発の対象となり消えていくかもしれないノスタルジックな弄堂。 まずは旧フランス租界の1930年に建設された、上海らしい木造れんが建築の歩高里(ブーガオリー)。簡体字のブーは「步」、日本語の漢字は「…
上海には租界(1842年の南京条約により開港した上海に設定された外国人居留地)と呼ばれる旧外国の居留地の歴史的建造物が集まるエリアが点在しており、2000年以降それらの物件や区画の再開発が進み、商業施設や観光スポットとしてオープンしている。 古い建物や街並みを自由に歩けるなんて、レトロ物件が好きな人たちにとっては上海は最高のお散歩シティ。 今回はまだブログに書いたことのない通り。最初は南昌路(ナンチャンルー)。 古いアパートメントのいくつかはこれから取り壊しがあるみたい プラタナスをつかったウォールアート 石造のアパートメント アパートの裏手にも低層のアパート、もちろん外干し 煉瓦造りの病院、…
『名誉と恍惚』上下 松浦寿輝 ★★ 岩波書店[岩波現代文庫] 2024.03.21読了 数年前に上海1泊3日の弾丸ツアーをしたことがあって、上海ディズニーランドだけを目的に楽しむという旅だった。泊まったホテルも出来たばかりのトイ・ストーリーホテル。日本のディズニーランドに比べると待ち時間も全然耐えられるし人の多さもそんなに気にならない。圧巻だったのが「カリブの海賊」で、これは2回も乗り今でも鮮明に憶えている。 と、、上海といえば私の中でその記憶が新しいのだが、近代史からみると上海事変など日本とは重要な関わりを持っている。この物語の舞台は1937年、日中戦時下の上海で、日本人警官芹沢一郎は陸軍将…