1993年発表の本書は、歴史・軍事もの作家柘植久慶のフィールドワークもの。グリーンベレーの一員として各地の戦闘に加わったという作者は、退役後も世界を巡って数々の取材をした。その際に、本書のテーマでもある麻薬問題の現場を見ることになる。世界全体では、食糧の消費市場価値と麻薬のそれは同等以上との説もある、一大ビジネスである。主力製品である、 ・ヘロイン ケシの実から採取したもの、ユーラシア大陸中部が中心 ・コカイン コカの葉から採取したもの、南米が原産 は、いずれも標高1,000m以上の山岳地での産品。貧しい地域が多いことから、現地では貴重な収入源になる。いくら禁止されようが、生きるためには作るし…