1957年、東京都生まれ。美術研究者、比較文化学者。父は平安文学研究者の稲賀敬二。 東京大学大学院比較文学比較文化専攻博士課程単位取得退学。パリ第7大学博士課程修了。 三重大学人文学部助教授を経て、国際日本文化研究センター教授。 『絵画の黄昏 ―― エドゥアール・マネ没後の闘争』にてサントリー学芸賞受賞、『絵画の東方』で和辻哲郎文化賞受賞。ほかに編著『異文化理解の倫理のために』(いずれも名古屋大学出版会)。
(8/2)ひとまず100点選書。第一弾の選書なので推薦本には頼らず。蔵書とアマゾンのブックリスト、これまでの読書経験と知識を駆使して、読みたい本を直感で選んだ。 今のところ順番はランダムだ。3500の選書リストが完成するまでには適切な分類法を見つけようと思う。その際、選書やリスト作成におけるルールも付記する(表紙画像は載せない、アマゾンや出版社ページへのリンクは貼らない等)。 (8/3)200点選書。 (8/4)300点選書。 (8/5)400点選書。そろそろ分類しないとね。日本十進分類法を参考にする予定。 (8/9)500点選書。 (8/10)600点選書。 (8/11)700点選書。 (8…
たった今終ってしまった既に紹介したEテレ(火曜夜10時45分~)の「おとなのタイムマシーン」の再放送を、ブログでおススメするのが遅れて残念至極!(前回紹介したのは武満徹の「私とルドン」)このシリーズには立川談志が手塚治を連続して解説(?)するものも放映されているけど、こちらはクソつまらないから見るに値しない。談志の落語は好きで評価してるけど、むかし太田光が向田邦子を数回にわたって解説した番組と同じで、単なるファンのレベルなのにハシャギ過ぎて無内容な解説をしたがるところもこの2人は似てるネ(太田は実力の割に出すぎだネ)。 話を戻すと、今回むかしの日曜美術館で司馬遼が取り上げていたのは八木一夫だっ…
最近久元喜造さんのブログを愉しんでいる。本好きは本好きの人間に無条件に好感を抱くものですが、この市長さんも激務(であろう)のあいまにじつによく読んでいる。またその本も、御本人が「ハウツー本より小説が好き」とおっしゃるように、揖斐高『江戸漢詩の情景』とか池上永一『ヒストリア』とか、嬉しくなるような選択が多い。ま、自分が読んでる本と一致してるから喜ぶってえのも品が無いけど。本の感想を丁寧に語ってるのも好もしい。マスメディアの批判に真率に反論しているのもよい(無視するのでもキレるのでもなく、ね)。 全く行政とかのことには疎いけど、政策に関しても、この市長さんは健全にものを考えて動ける人なんではないか…
1994年に愛知県美術館(宮城県美術館、世田谷美術館)で開催されたクプカ展の図録 「ABSTRACTION抽象絵画の覚醒と展開」展 - logical cypher scape2と「パリポンピドゥセンター キュビスム展 美の革命」 - logical cypher scape2とでクプカの作品を見て、興味を覚えたため、94年の展覧会の図録を見てみることにした。 紛れもなく抽象絵画の創始者の一人であるにも関わらず、カンディンスキーやモンドリアン、マレーヴィチと比較しても知名度が一段劣る画家だろう*1。 もちろん、94年に日本でもこうして単独の展覧会が開かれており、美術史の本もちゃんと読めば名前が…
「銀河鉄道の父」という映画(2022)を観た。原作は門井慶喜の同名の直木賞受賞作で、宮澤賢治の生涯を父政次郎の視点から描いたもので、私は政次郎が死ぬまでが書いてあるのかと思っていたから、原作には不満が残ったが、映画は良かった。特に妹のトシを演じた森七菜が、美人でない分リアリティがあってよかった。 ところで宮澤賢治といえば、長いこと私は批判的、ないしバカにしてきた。もちろん、吉田司の『宮澤賢治殺人事件』(1997)と、荒川洋治の『坑夫トッチルは電気を灯けた」(1994)の影響で、前者は『批評空間』で柄谷行人が吉田を呼んでさんざん賢治をバカにしていたから影響も受けたし、あとで『現代文学論争』にも書…