1957年、東京都生まれ。美術研究者、比較文化学者。父は平安文学研究者の稲賀敬二。 東京大学大学院比較文学比較文化専攻博士課程単位取得退学。パリ第7大学博士課程修了。 三重大学人文学部助教授を経て、国際日本文化研究センター教授。 『絵画の黄昏 ―― エドゥアール・マネ没後の闘争』にてサントリー学芸賞受賞、『絵画の東方』で和辻哲郎文化賞受賞。ほかに編著『異文化理解の倫理のために』(いずれも名古屋大学出版会)。
丸紅ギャラリー開館記念展Ⅲボッティチェリ特別展 美しきシモネッタ ■2022年12月1日~2023年1月31日 2021年11月に開館した丸紅ギャラリー。遅まきながら、初めて訪問してみました。 大手町の丸紅本社ビル内3Fにありますが、オフィス部分とは程よく分離されていて、天井を高くとったエントランスは割と開放的にまとめられています。 入館料はキャッシュレス決済のみ。知っている範囲では大阪の藤田美術館もこの新しい運用方式を採用しています。現金は日々の管理も結構大変ですから、規模の小さい施設では主流になってくるかもしれません。 www.marubeni.com 昨年末あたりから、都内のあちこちに「…
きょう久しぶりに放送大学「西洋芸術の歴史と理論」(第12回?)を見たら、実に若い頃の森村昌弘が出演していてチョッと笑えた。それにしても著名な絵画の画中人物になりきるという手法を一貫している姿勢はリッパ、それが意外なほどハイレベルの批評性を秘めているのを知ったのは、同じく放送大学「日本美術史の近代とその外部」の第3回のマネの回だった。以前にも紹介した気がするけど、「オランピア」の裸婦(モデルは娼婦と言われている)になりきるだけでなく、ベッドの横に立っている黒人女中にもなりきっていたと思う。講師の稲賀繁美さんとの対談で、(上記より数年ほど後の)森村は例えば白人娼婦になる一方で黒人女中にもなる自身が…
深夜番組をおススメしていたら、間もなく始まるテレビ放送大学の「日本美術史~」(7時半から3コマ)も勧めたくなった。今まで何度も紹介したことがあるけど、放送大学では最高に充実した番組だネ。講師の稲賀繁美さんは現代美術にも明るいので、近代美術に対する造詣の深さが生きていて極めて刺激的な講義をしてくれる。放送大学専任の青山が担当している「西洋芸術の歴史と理論」が誰でも講義できるブッキッシュな死んだ内容であるのと比べると、稲賀さんの実力がハンパナイレベルであることが判る。最初の2回は透視図法をめぐった内容で、第3回(9時~)のマネがメチャ面白いので特におススメ! スキャンダラスでもあって有名な「オリン…
昨夜の「英雄たちの選択」は野球を優先して見ていたので、部分的に録画しておいて後で見た。あまり目立たない北条時頼を特集していたので面白そうだったけど、ゲストが最悪に近かったネ。朝日新聞にも定期的に(?)鋭い社会時評を載せる作家の真山仁さんは歓迎だけど、最悪というのは細川重男という歴史家。民放の歴史番組でごく稀に見る人でその印象を1・2ケ月前に記したと思うけど、しゃべり方が下品で人類史上最低という感じだヨ。日本中世史が専門のようだから、いずれ「英雄たちの選択」にも現れやしないかと危惧していたのだけど、とうとうその時が来てしまった! 本人には責任はないと思うのだけれど(わざと下品にしゃべるとも思えな…