2023年11月7日、広島県の老人ホームに入所していた90代男性がゼリーを喉に詰まらせて窒息死した事例をめぐる裁判で、裁判所は介護施設に2365万円の支払いを命じる判決を下した。 この判決を受け、介護士業界では大きな衝撃が走っている。誤嚥事故は介護現場で起こりうる重大な事故であり、介護士にとっては常に付きまとう不安の種である。今回の判決が、介護士のさらなる心理的負担につながることは避けられない。 私は、老人ホームで働く介護士として、今回の判決に以下のような意見を抱いている。 1.介護士の誤嚥事故防止対策の努力は評価されるべき 今回の判決では、介護士が男性の誤嚥を防ぐための適切な措置を講じなかっ…