検察官の定年を延長する検察庁法改正案について、SNS上で抗議の声が上がっている。検察OBが反対の意見書を出すのは異例といえる。 政府は法案提出以前に黒川弘務高検検事長の定年延長を法律の解釈変更という閣議決定で強行している。法案はこの決定を「後付け」で正当化するものとみられている。 黒川検事長の定年延長の話を聞いて、織田信長(1534〜82)が南都(奈良)の大寺院、興福寺のトップである別当職をめぐる正親町おおぎまち天皇(1517~93)の決定を覆した、天正4年(1574年)の「興福寺別当相論」が思い浮かんだ。 この出来事は、天皇の権威をも凌駕しようとする信長の専制を象徴する事件とみられてきたが、…