精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)第45条に定義されている障害者手帳。
口の悪い人は「キチガイ手帳」と呼ぶ。
青色の手帳なので、「青の手帳」とも呼ばれる。他の障害者手帳との違いは表面には障害者手帳としか書いていないので、精神障害者の手帳ということは一見では分からないようになっている。また近年まで証明写真を貼り付ける欄がなかった(精神障害者患者会や精神障害者家族会の反対による) *1。
精神障害者への偏見・差別が激しく、このような配慮になっている。
重い方から1級、2級、3級がある*2。
第六章 保健及び福祉 第一節 精神障害者保健福祉手帳 (精神障害者保健福祉手帳) 第四十五条 精神障害者(知的障害者を除く。以下この章及び次章において同じ。)は、厚生労働省令で定める書類を添えて、その居住地(居住地を有しないときは、その現在地)の都道府県知事に精神障害者保健福祉手帳の交付を申請することができる。 2 都道府県知事は、前項の申請に基づいて審査し、申請者が政令で定める精神障害の状態にあると認めたときは、申請者に精神障害者保健福祉手帳を交付しなければならない。 3 前項の規定による審査の結果、申請者が同項の政令で定める精神障害の状態にないと認めたときは、都道府県知事は、理由を付して、その旨を申請者に通知しなければならない。 4 精神障害者保健福祉手帳の交付を受けた者は、厚生労働省令で定めるところにより、二年ごとに、第二項の政令で定める精神障害の状態にあることについて、都道府県知事の認定を受けなければならない。 5 第三項の規定は、前項の認定について準用する。 6 前各項に定めるもののほか、精神障害者保健福祉手帳に関し必要な事項は、政令で定める。 (精神障害者保健福祉手帳の返還等) 第四十五条の二 精神障害者保健福祉手帳の交付を受けた者は、前条第二項の政令で定める精神障害の状態がなくなつたときは、速やかに精神障害者保健福祉手帳を都道府県に返還しなければならない。 2 精神障害者保健福祉手帳の交付を受けた者は、精神障害者保健福祉手帳を譲渡し、又は貸与してはならない。 3 都道府県知事は、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けた者について、前条第二項の政令で定める状態がなくなつたと認めるときは、その者に対し精神障害者保健福祉手帳の返還を命ずることができる。 4 都道府県知事は、前項の規定により、精神障害者保健福祉手帳の返還を命じようとするときは、あらかじめその指定する指定医をして診察させなければならない。 5 前条第三項の規定は、第三項の認定について準用する。精神保健及び精神障害者福祉に関する法律
精神障害者保険福祉手帳の等級は障害年金の等級と同程度とされており*3、故に障害年金3級は手帳3級、障害年金2級は手帳2級、障害年金1級は手帳1級に相当するとされている*4。
国の国民年金制度の障害基礎年金においては2級の認定から年金の給付が行われるが、障害年金2級認定の基準としては「就労不可」程度である事が一つの目安である。また、手帳2級認定及び年金2級は成年後見制度における「保佐」の対象となりうるものであるので*5、親族等から勝手にこの申請を行われても文句は言えないものである事は注意しなくてはならない*6。*7
障害年金欲しさの申請は厳に慎むべきものである。*8
*1:http://www.ohhori.com/depression/handicapped_note.htm
*2:http://www.e-rapport.jp/law/welfare/no05/02.html
*3:ただし手帳3級は障害年金3級よりも対象が広いとされる。
*4:「精神障害者保健福祉手帳制度実施要領」参照のこと。
*5:家庭裁判所の判断基準としてそうなっている(参考:旭川家庭裁判所の医師への鑑定手続依頼書(※pdf注意))。また当然、意思能力に問題あるものと見なされるようになる。公務員等であれば地位を失うし、訴訟行為も後見人により取消しが可能となってしまう(民法13条1項他より)。民法を見れば、被保佐人となる事がどの様な問題を発生させるかが分かるので、一度見てみるといいかもしれない。
*6:意思能力に問題あるものと見なされるものになるので、まぁ、色々とまずい事になるであろう。何だかんだと理由を付けられて医療保護入院させられようとした時の対抗が難しくなりもすると思われる。障害年金を囮にした罠として提案される可能性があるかもしれないが、やめておくべきである。一方、障害年金等で国庫を貪る事を目的とした悪側にとっては当然誰も2級になっても保佐の手続き等をされない。こういう事を見抜けないと(立ち位置により扱いに不斉合な面がある事を知らないと引っかかる罠の多い現代社会を生きるのは)難しい。
*8:また、周囲に勧められた者は用心した方が良い。