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系外惑星

(サイエンス)
けいがいわくせい

太陽系の外にある惑星のこと。
太陽系が惑星を持つならば、ほかの恒星も惑星を持っている可能性がある。そのため昔から探されてきたが、観測手法の発展により1995年から数多く発見されるようになった。
親星からわずか0.05AUの距離を木星程度の質量の惑星が回っていたり(しかも意外と多い)、公転軌道の離心率が0.927といった非常に細長い軌道で公転していたり(さすがにここまで細長いのは少ない)と、様々な惑星系が見つかっている。最近は地球質量の数倍程度の小さな惑星も発見されている。

系外惑星探査の歴史

  • 1992年:パルサーの周りを回る3個の惑星が発見される
  • 1995年ペガスス座51番星(Peg 51)の周りを回る惑星が発見される(ラディアルベロシティー法)。以後、ラディアルベロシティー法を用いて多くの惑星が見つかる
  • 2000年:ペガスス座のHD209458の周りを回る惑星が親星の手前を通過し、食を起こすことが発見される(トランジット法)
  • 2001年:HD209458の周りを回る惑星にナトリウムの大気が発見される
  • 2003年:マイクロレンジング法の開発
  • 2004年:直接撮像の候補天体
  • 2008年みなみのうお座のフォーマルハウトでハッブル宇宙望遠鏡による直接撮像。質量が木星の3倍以下で惑星と確定
  • 2009年:トランジット法による系外惑星探査に特化したケプラー宇宙望遠鏡が打ち上げられる。これ以後、ケプラーによって2,000個以上の系外惑星が発見される
  • 2018年:ケプラー宇宙望遠鏡の後継機、TESS(トランジット系外惑星探索衛星)が打ち上げられる。ケプラーと同様、トランジット法で系外惑星を探索する

系外惑星の観測手法

ラディアルベロシティー法(ドップラーシフト法)

親星の周りを惑星が回っている、という状況は、もう少し厳密にいうと親星と惑星の重心の周りを惑星が回っている、ということである。つまり親星もわずかながら公転をしている。別の言い方をすると、惑星の重力によって、親星が揺り動かされている。
ラディアルベロシティー法は、この親星の運動を親星が出す光のドップラー効果を用いて測定し、間接的に惑星を観測する手法である。
この方法では、惑星の公転周期、軌道長半径、公転軌道の離心率、質量×sin(公転軌道面の天球面に対する傾き)などがわかる。
もし、公転軌道面の傾きが0°に近いと、惑星と呼ぶには重すぎる星を惑星と誤認するかも知れない。
系外惑星探査の初期に多く用いられた観測手法。

トランジット法

親星、系外惑星、地球がほぼ一直線上に並ぶと、食が起きる。すると、親星の明るさが暗くなる。この明るさの変化を測定することで惑星を観測するのがトランジット法である。
この方法では、惑星の公転周期、軌道長半径、惑星半径、公転軌道面の傾きなどがわかる。
特定の原子、分子の吸収線だけを観測することで、惑星の大気を調べることもできる。
ケプラー宇宙望遠鏡がこの手法で多くの系外惑星を発見した。その中には地球のように、水が液体で存在する(表面の気温が摂氏0度と100度の間にある)ハビタブルゾーン内の系外惑星も含まれている。

マイクロレンジング法

遠くにある天体と地球の間を親星が通過すると、親星の重力レンズ効果によって背後の天体が明るくなる。親星によって曲げられた光が惑星の近くを通過すると、惑星の重力レンズ効果によって背後の天体がさらに明るくなる。
この増光を観測して惑星を探すのがマイクロレンジング法である。
惑星が小さくても見つけられるが、あとで観測し直すことが難しい、惑星の大きさや軌道長半径の正確な値が求めづらい、などの問題点もある。

直接撮像

惑星が発する光を何らかの方法で親星から分離し、後は普通の星と同じように観測する方法である。
技術的に難しかったが、画像処理技術の向上で発見され始めている。

アストロメトリ法(位置天文学法)

ラディアルベロシティー法の項で説明したように、惑星の重力によって、親星も揺り動かされている。天球面上での位置測定を正確に行ない、その動きを捉えることによって惑星を探すのがアストロメトリ法である。
あまり成果は上がっていない。

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