「素朴」という言葉が、近頃わたしのテーマです。素朴なまま生き、素朴なまま死ぬことができたなら、それはすごく幸福なことではないかと思うのです。 素朴な言動や姿勢は、その人の人生を丸ごと肯定しうる力を持つかのように感じるのです。素朴な人を見ると、彼のそれまでの人生が、良い人生だったと証明されているように感じるのです。 わたしは、素朴になりたいのです。もっと、素朴でありたいのです。 嬉しい時には微笑みたいし、怒ったときには悲しみたい。悲しいときには優しくありたい。それが素朴ってものだと思うのです。 分からない時には、ただ、首をかしげたい。分かっている時には、ただ、落ち着いていたい。大海を知らないこと…