ヴィンセントが九州での旅を終えて大阪へ来たので、 夜ごはんに付き合うために地下鉄で梅田へ向かった。 電車が来て僕が乗ろうとすると後ろがガラ空きなのに 扉付近の数人がつっ立ったまま動こうとしない。 仕方なく僕は、彼らを押し分けるように乗り込んだ。 東梅田の駅に到着し、扉が開いた。 ちょうど扉の前がエスカレーターになっていて、 扉が開くと同時に、扉付近にいた数人が、 さっとエスカレーターの方へ飛び出していった。 彼らはすぐにエスカレーターを上りたいがために、 扉付近から頑として動かなかったのだ。 去ってゆく彼らの後姿を見ながら、ムッカーときた。 はっきり心の中で「こいつら死ねばいいのに」と呟いた。…