シリーズ最終巻、番外編。 鶯の落とし文 糺の森で『鶯の落とし文』を探している老人に会った幸。今は亡い婚約者の、プロポーズの返事を待っているという。折も折、良鷹は骨董店『如月堂』から、曰く付きの笄を預かって来た。梅に鶯の図柄のはずなのに、鶯が消えてしまった笄。幸は、友達の家で見た振り袖姿の少女の幽霊との関連を思いつく。 青時雨の客人 春野の家を訪れて来た女性は、牡丹の香水瓶を返して欲しいという。すぐ消えてしまった彼女は、その後 春野の夢に出て来るようになる。妹に隠し事をして後悔する姉の姿、春野は祖父母の連絡先リストから、所縁の人物の見当をつける。果たして、その人は彼女の妹だった。 額の花 その昔…