第1章 誰が育て、誰が羽ばたくのか──“カッコウ型キャリア”という視点 ある日、日経新聞でこんな記事を読んだ。「ウォール街で“カッコウ型”引き抜きが横行している」と。 ──カッコウは自分で卵を育てない。他の鳥の巣に卵を産み、他の親鳥に育てさせる。 この記事では、JPモルガンなどの大手金融機関が苦労して育てた新人を、他社が高給で引き抜いていくという現象をそう呼んでいた。実際、「他社に転職したら即解雇」というルールを設ける企業もあるらしい。 けれど、この記事を読んで私が思ったのは、「それって若手にとっては戦略として自然では?」ということだった。そしてこの“育てる/羽ばたかせる”という構図について、…