玉かづら 絶えてもやまじ 行く道の たむけの神も かけて誓はん 末摘花の涙に 侍従は涙でものが言えないほどになっていた。 (末摘花の姫君に by 侍従の君) 〜お別れしましても 私は決して お見捨て申しません 行く道々の道祖神に かたくお誓いしましょう 【第15帖 蓬生 よもぎう】 「絶ゆまじき すぢを頼みし 玉かづら思ひの ほかにかけ離れぬる 死んだ乳母《まま》が遺言したこともあるからね、 つまらない私だけれど一生あなたの世話をしたいと思っていた。 あなたが捨ててしまうのももっともだけれど、 だれがあなたの代わりになって私を慰めてくれる者があると思って 立って行くのだろうと思うと恨めしいのよ…