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絶対王政

(社会)
ぜったいおうせい

近世欧州で見られた国政の有り様の一。単純に言うと、王が強大な権力を持ち、官僚機構と常備軍と地方に及ぶ統治機構を備えた中央集権体制のこと。ただし、具体的な形態は国によってまちまちであったが。

背景

ローマ帝国の崩壊によって訪れた中世。交通と遠隔地交易はすっかり衰え、もちろん統治機構も軍制も破綻している。かつて「ローマ帝国」と呼ばれた地域は、無数の孤立した地方の集合体へと変貌していった。
カール大帝の加冠による「西ローマ帝国の復活」も、この事態を本質的に変える力はなかった。なるほど彼の統治下にフランク王国は巨大な版図を有するに至ったが、それはあくまでも彼個人の支配者としての資質、そして各地方の領主たちとの直接的な関係の集合体によって成立していた。カールは「常に移動する宮廷」によって自らの目の届く範囲を広げて王国の統御を計っていた。逆に言うと、彼ほどの傑物をしても、そのような措置を執らねば当時の未熟な統治技術では王国の統一を維持できなかったのである。
よって、封建制への移行は必然だったと言える。王国の解体をさらに加速させたのはヴァイキングなどの外敵の侵入であり、フランク的な分割相続であった。*1
中世が終わりに近づくにつれ、状況に変化が訪れた。交易の復活、伝染病や戦乱による農村の疲弊、武器の改良。いずれも小規模な領主の力を衰えさせるものだった。これらは同時に、(相対的にも絶対的にも)国王すなわち国の第一人者の力を伸ばす変化でもあった。
それまで「自由」だった領主たちは次第に国王の権威の庇護下に置かれるようになり、商工業に従事するものは保護や特権を求めて国王に接近してゆく。巨大化する戦争と火薬の導入は専門の兵士と(国王でもなければ負担しかねるような)巨大な戦費を要求するようになり、地方の騎士たちと小城塞の軍事的価値は暴落した。
かくて王たちは家政の域を超えた国家財政を取り扱うための手段、強力な官僚機構と徴税システムを欲し、それを整備・強化していった。軍事的な裏付けとしては常備軍があり、論理的な裏付けとしては王権神授説があった。中世は終わったのだ。

*1:長くなったので省略します

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