今日は遅番だった。仕事前にいつものように十河進のコラムを読んでいたら、映画『トップガン』の監督トニー・スコットについて書かれた文章が目に留まった。自殺を選んだということ……人はどんな風にでも死ねる、と書かれていた。実を言うと私も、酒に呑まれていた頃は自殺をずいぶんイージーに考えていた。いつでも死ねる、と思って……それが勇気の証だと思っていた。私は浅はかだった。普通の生活、堅実に築き上げた生活を厳しい時代に抗って守り抜くということの方こそ勇気が要る行動だということがわかっていなかったのだ。ビル・エヴァンスの死についても十河進はコラムで書いている。彼の人生は緩慢な自殺への過程と言ってもいい生き様だ…