かれこれ、10年ほどになるだろうか、書初めが年初の習慣になっている。寺などで含蓄のある書に触れるにつれ、自分でも書いてみたくなり、名跡と呼ばれる手本を真似て書く「臨書」を少し嗜んだことがきっかけである。 字を上手に書くよりも、自分の行動を形作る思考を言葉にして、それを書にするという作業が心地よく気に入っている。昨年は「自靖自献」を書いた。現在の自分の日々の行動の始点だ。 完全な自己流なので、基礎が出来ていない。表装までしてもらったが、眺めるにつれ、見るに堪えられなくなり早々に引き取った。それから、折を見て書き直しているがなかなか納得のいくものが書けない。 そうこうしているうちに、今年の書初めが…