正直言って読みにくい。でも、こういう小説が好きだ!!好きだー!!! 叫んだものの、この気持ちを文章にするのは結構な勇気が必要だったし、根気がいる作業でもあった。 著者は乗代雄介氏。2023年芥川賞ノミネート作品「それは誠」を人におすすめしてもらい、でも本屋でわたしの目に留まったのはこの「十七八より」だった。うすぼんやりした淡い色味で、懐かしいような、うっとりするような装丁だった。デビュー作みたいだし、ここから読んでみることにした。 十七八より (講談社文庫) 作者:乗代雄介 講談社 Amazon これは主人公、宇佐美景子の回顧録。 十七、八の頃を振り返る時、わたしは自分のことを「少女」と呼ぶ。…