義父は義母が認知症だということを認識している。なので義母の物忘れを嘆きながらも、お薬を飲み忘れないようサポートしたり、義母が通帳などの大切なものをしまう時には気を付けて見ていてくれたり、辛抱強く見守ってくれていることが痛いほどよくわかる。しかし、義母がイライラしたり、怒鳴ったりすることが、病気のせいだということを、義父はいくら説明しても理解できないようだ。義母に怒鳴られたら、倍の大声で怒鳴り返したり、終いには物を投げたりもする。「認知症の方には、怒鳴らず、そうだね、そうだねと肯定するのが大事なのですよ。そうすればその優しさが返って来るのですよ」と説明するが、その声はどうしても届かない。義父が大…