老舎小説全集 第8巻 四世同堂 上 作者:老舎,芦田孝昭 学研プラス Amazon ★★★ 盧溝橋事件によって戦争が勃発、北平が日本軍に占領される。教師の祁端宣は四世代同居の「四世同堂」の生活を送っていたが、弟の端全が城外に脱出して抗日戦に身を投じたことで、己の身の振り方について葛藤する。一方、詩人の銭黙吟は日本の憲兵に捕まって手酷い拷問を受けた。そんななか、冠暁荷、藍東陽、祁端豊は日本人に取り入って漢奸となり、冠の妻であるカラス瓜は売春婦の元締めになる。 「君はこわがらなくていい、わしは詩人で、腕力は使えない! わしが来たのは、君に会うためでもあり、君にわしを見せたいからでもある。わしはまだ…