独特な温かさを持つ拍手。どうかすると、音楽やっているのは聴き手の方かも知れない。演奏終了後の来場者と言葉を交わすのが、欠かせない。そのために音楽をやっているようなところがあるくらいだから。 遠い昔、渋谷ジャンジャンという老舗のホールがあったが、そこで演奏後、幕間に佇んでいると、一人年配の男性が近づいて来て、メモ帳を差し出した。「あなたのピアノが気に入りました。サインをください。」本当に面食らった!!僕は、サインなどしたこともなかったから、ただ自分の名前を漢字で普通に書いて渡したのだが、彼はそれで十分に満足したようだった。それが起点じゃないかな、と思う。 自分自身の音楽作業やバンドの練習は苦闘の…