内田樹さんの著書「街場の成熟論」を読んだ。語られている話題は国内問題から国際問題まで多岐にわたり、また社会への深い考察は参考になるものが多くあった。その中に「歌わせたい男たち」という題の一編があった。「歌わせたい男たち」というのは都立高校の卒業式での国歌斉唱で不起立を宣言している教師と、それを説得する校長の緊迫した議論を核にした戯曲である。それが14年ぶりに再演された。その戯曲のテーマである「国旗国歌について」内田さんは意見を求められ、下記の文書を寄稿したとして著書に収められていた。 「国歌を歌い、国旗に一礼するのは『国家に対する敬意の儀礼』である。だから、国民にそうしろと命令できるし、違反し…