外勤先で当直に入る前、 1時間半ほど時間があったので、 ラーメンを食べるか、美容室に行くか悩み、 妻に「どっちがいいかな」と相談したら、 「どうして、どっちかを選ぼうとするのよ。 どっちも行きなさい！ まず髪を切ってからラーメンも食べなさい！」 と言われた。 「間に合わないだろう」 と言ったら、 「全力で二兎追うのよ」 と。 思い返せば、妻は常に全部取りの精神だ。 指輪は、 「ブランド物の大きな一粒ダイヤ」 が欲しいと言って、買わされた。 家も、 「一等地に広い庭付きの戸建て」 が欲しいと言う。 「あれもいらない、これもいらない。 欲しいのはただ一つだけ」 が、僕の考える純粋な心なんだが、 妻…

評価：⭐️⭐️⭐️ 書評：欲しいものは欲しい、結婚３回目の女「るり子」。仕事も恋にものめりこめないクールな理屈屋「萌」。性格も考え方も正反対だけど二人は親友同士、幼なじみの２７歳。この対照的な二人が恋と友情を通してそれぞれに模索する“幸せ”のかたちとは...。女の本音と日常をリアルに写して痛快、貪欲にひたむきに生きる姿が爽快。圧倒的な共感を集めた第126回（2001年下半期）直木賞受賞作。 米倉涼子と高岡早紀の出演によるドラマも放送された。 この作品のタイトル「肩ごしの恋人」とは、「『恋愛』を正面に見据えた生き方より、自分が目指す目標に向かって突き進んで生きていく中で、気が付くと肩ごしに恋人が…

※ラストについて詳細に触れてるのでネタバレ注意 唯川恵『肩ごしの恋人』集英社文庫 芥川賞と直木賞から気になったのを読んでいるので、今回は直木賞受賞作。最近文学youtuberベルのチャンネルを見て知ったけど、直木賞の方がエンタメ小説寄りらしい。 感想 主人公である女性2人が最後に選んだ生き方があまりにも良くて、こんなイケてる生き方もあるのかぁとしばらくしみじみしました。常識や世間の目や性別を全部忘れて明るく終わるので清々しい気分になりました。 主人公2人が選ぶ生き方 主人公はこの2人で、喧嘩もよくするけどずっと一緒にいる幼馴染という設定。 欲しいものは欲しい、結婚３回目、自称鮫科の女「るり子」…

これ、読んだことあるな、と話の中盤になって気が付く。本読みあるあるだと思う。なんなら結末まで読んでから気が付くこともある。 そのあるあるを今回も見事にやってしまったけれど、何度も手に取る本っていうのは何かしら刺さるからだろうと思って、二度目を読み終わった。『肩ごしの恋人』。 読んだことあるのはたぶんあれだ、直木賞受賞作だったからだ。なんだ私やっぱりミーハーだわ、と思った。なんとなく、当時持った感想も思い出した。 真面目で堅実な萌と、自由奔放で欲望に忠実なるり子。こういう対照的な女主人公ふたりの小説が私の好みなのか、一種のジャンルというか型なのか。最初にこの話を読んだのは学生のときだったので、る…

みちづれの猫 (集英社文庫) 作者:唯川 恵 集英社 Amazon 「みちづれの猫」唯川恵（著） 集英社 あらすじ 人に寄り添い生きるネコ達 まとめ こんな人にオススメ こんばんは、ちわぷ〜です！ 突然ですが、皆さんは犬派でしょうか？ネコ派でしょうか？ きのこの山か、たけのこの里かと同じくらい票が割れる究極の選択かと思います！ （ちなみに、私はたけのこ派です） ちわぷ〜と名乗り（チワワとプードルのミックス犬をチワプーといいます） 愛犬家なので、当然イヌ派と思われがちな私ですが、子供の頃はネコを飼っていたので、 悩みどころです… ただ、不思議な事に小さな頃からネコには嫌われがちで、ネコのいる友達…

2022/7/11 読了 唯川恵「テティスの逆鱗」 (文春文庫) テティスの逆鱗 (文春文庫) 著者 : 唯川恵 文藝春秋 発売日 : 2014-02-07 ブクログでレビューを見る» f.2022/3/11p.2014/2/10 from amazon site 華やかな美貌で売る女優、出産前の身体に戻りたい主婦、完璧な男との結婚をねらうキャバ嬢、そして、独自の美を求め続ける資産家令嬢。美容整形に通い詰める四人はやがて「触れてはならない何か」に近づいてゆく―。終わりなき欲望を解き放った女たちが踏み込んだ戦慄の風景を、深くリアルに描く傑作長編! 内容（「BOOK」データベースより）顔にメスを入…