その休日、おれは珍しく早起きした。ちなみにおれには休日だが、みなにとっては平日である。つまり有給休暇を取得した。出生届を出しに行くのだ。この日の朝に病院に行き、出生届を入手したその足で役所に向かう予定だった。が、病院全体が面会禁止となったので、前日の晩に荷物の受け渡し窓口を通じて入手した。役所の開庁時間に合わせて家を出る。朝から太陽がじりじりと照りつけやがる。自転車を漕ぐほどに汗が噴き出す。出生届は何事もなく受理された。何か特別な気持ちが湧き上がるかと期待したが、特に感慨はない。子のマイナンバー付きの住民票を取得したい旨、窓口の係員に告げる。健康保険の扶養家族に入れるためには個人番号を申告する…